第29話 残念なのは君な件

もう休みも終わっちゃうのに全然進まない( ´Д`)y━・~~

まずい。10万字の壁が厚すぎる…。


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ある程度おしゃべりが終わったようだったので篠崎に改めて尋ねてみる。


「で、篠崎は結局なんの用だった?」


俺が声をかけると篠崎は「そうでした」と俺を探していた理由を説明する。


「ほら、村井くんからゲーム教えてもらう約束したけど、具体的な日にちを決めてなかったでしょ?それを決めちゃおうかなーって思って。今週の土曜日とかどうかな?」


…あの話本気だったのか。

絶対社交辞令だと思ってたんだが思いのほか、俺が絶賛した例のゲーム『狩人モンスター』に興味を持ってもらえたようだ。これは普通に嬉しい。


とはいえ、まだ垢BANの件について運営から回答が来てないし、ちゃんと教えるなら、ギュッとこのゲームの魅力を存分に味わってもらえるように準備しておきたい。そうだ、初心者向けの経験値2倍ポーションや職業特典装備の入手などやらないといけない事がたくさんある。…全部垢BANの件が解決したら、だけど。


あとついでに言えば、土曜日はさっき神代と約束したばっかりである。


「来週だとまだわからないからちょっと待って。狩人モンスターは今垢BANの件で回答待ちだから」

「あ、そうなの?だったら別の面白そうなゲームでもいいよ?」



「えっ?他のゲーム??」


ど、どういうことだ?

お前、狩人モンスターがやってみたいんじゃないの?

俺の熱弁に心震えてやってみたくなったんじゃないの??


「…な、なーんて冗談だよ!狩人モンスター楽しみだな!なら出来そうな日が決まったら教えてね」

「びっくりした。ああ、また連絡するよ」


そうだよな。

あんまり驚かせないでほしい。


それに続いて神代がによによと笑顔を浮かべて喋る。

「それに篠崎さん。土曜日は『うち』とカフェに行く予定だから、どのみち無理だったよ? ねえ、村井君?」


篠崎はそれにニコニコと「そうなんですか、いいですねー」と言うと、神代は「でしょー」と会話を続けていた。


見てる限り二人ともずっと笑顔で話してるし、なんだか結構二人は仲良くなれそうな感じである。

…あ、そうだ。いいことを思いついてしまった。


「篠崎。もし予定がないようなら土曜日俺たちと一緒にカフェに行かない?」

「は”ぁ?」

「え、いいの!?」


神代は俺の言葉を聞くと鬼の形相で俺に詰め寄ってくる。

「ちょっと!?うちと二人でカフェに行くはずだったじゃん!?なんで!?」


神代…お前は何て残念なんだ。

俺にはナイスな考えがあると言うのに。


俺は神代の耳元で小声で話す。

「ばか。お前、これは友達を作るのにいい機会だろ?」

「え?」

「だから、篠崎となら友達になれるんじゃないかって思ったんだよ」


そう。生真面目な神代と天然な篠崎であれば案外友達になれるのではないかと思ったのだ。篠崎はこれまで接していて悪いやつではないこともわかったしな。



神代はポカンとするとこめかみに指を当てて何やら考えている。

「…ねえ?ちょっと聞きたいんだけどさ。うちらのやりとりを見てて何も思わなかったの?」

「いや、思ったよ?仲良くなれそうだなーって」


神代の顔には嘘でしょとデカデカと書かれていた。

え?嘘だろ?違った?

めっちゃ笑顔で喋ってたじゃん!


「え?もしかして篠崎のこと、嫌いだったりするのか?」

「別に嫌いとかじゃないんだけど、複雑というか…」


「嫌いじゃないなら考えてみろって。お前はボッチは嫌なんだろ?せっかくだし話をしてみたらどうだ。もしかしたら趣味とか合うかもしれないしさ。それに一緒にカフェに行くなら俺もフォローしてやれるだろ?」


「…まあ篠崎さんと一部の趣味が合うことも、わかったけど」

「なら、せっかくだし色々話ししてみたらいいじゃん」

「…はあ、そうだね。それもいいかもね」


よし。篠崎はボッチを放っておかないやつだからな。

これで神代も友達ができるだろう。


「えっと、それで私、本当に一緒にカフェに行っていいのかな…?」

「ああ、もちろんいいよ。な、神代」


神代はコクっとうなづく。


こうして俺たちは土曜日に一緒にカフェに行くことになった。




俺は知らなかったが、この時こっそりと神代が篠崎にこんなことを言っていたようだ。

「ねえ篠崎さん、思っていた以上にあの人鈍感だよ。…うち達、覚悟しておいた方が良いかも」



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