第30話 警戒しすぎでしょ
コンテストに間に合わせる為に毎日うんうん唸って書いてたら、前よりはちょっとだけ早く書けるようになってきた気がする。ちょっとだけだけど。
目指せ10万字!・:*+.\(( °ω° ))/.:+
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―その日の放課後―
本日の授業も終わり、教室は楽しそうなクラスメイト達の声であふれている。
今日も放課後どこに遊びに行こうかととても賑やかだ。
そんな中俺は今日もそそくさと帰り支度を整えていた。
「陰気な奴がイキってるとマジムカつくよな」
「本当、本当。篠崎も陰気が移るから、あんな奴に関わらない方がいいって」
「…村井くんはいい人だよ?どうしてそんなに悪く言うの?」
離れた席から、俺に聞こえるように陰口を叩くスクールカースト上位の柳田達。
そして篠崎が俺を庇ってくれている声が聞こえて来る。
篠崎…嬉しいけど、やめておけよ。美人だからよっぽど奴らの標的にはならないだろうけど、絡まれるようになると面倒だぞ。
そもそもそいつらに何言っても無駄だって。
そいつら民度低すぎるんだから…。
これ以上いらない注目をこれ以上集めたくはない。
さっさと帰ろう。
陰口が聞こえてないかのように振る舞い、そっと静かに教室のドアに手をかける俺。
すると
「おーい、村井〜。放課後、暇?」
「…?」
後ろを振り返ってみると相田が立っていた。
相田は両手にポケットを突っ込みながらニヤニヤと笑っている。
周りをよくみると相田の取り巻き達も俺を囲うように立っていた。
…くっそ、柳田達だけじゃなくて、相田のグループにも目をつけられていたか。
そういえば、俺は既に神代が絡まれてるところを助けた関係で相田から目をつけれられていたのだ。あれから声をかけられる頻度は増えたが、特に大きなアクションはなかったのでスルーしてしまっていた。
また調子こきやがってと因縁をつけられるのだろう。もしかしたら神代の代わりに今度はお前が金を出せと言われるのかもしれない。
「私ら、これからマックバーガに行くんだけど一緒に行かね?」
「…は?」
…これはどう解釈すればいいのだろう?
素直に聞けばマックに行こう。そして財布がわりになれと言う意味に聞こえる。
それともマックに行くと思わせておいて、裏庭に連れて行かれてカツアゲされるパターンか?
いずれにせよいい方向に行くとは思えない。
「…どう言う意味だ?」
「いや、私らとマックに一緒に行かないかって言ってるだけなんだけど…」
…まあ、そりゃ裏の意味なんて教えるわけないか。
刺激しないようにさらっと逃げよう。
「あー悪い。俺今日用事があってさ」
「へー?どんな用?」
そこは聞くなよ。咄嗟に思いつかないんだから。
しかもこいつずっとニヤニヤしてんじゃん。多分わかってて聞いてるな…。
まあ、ここは強気で言えば大丈夫。
「ちょっとゲームが忙しくてな」
「ふーん。おかしいなー環奈先輩は村井は今ゲームができないって言ってたけどなー」
…は?
なんでここで水城先輩が出て来るんだよ。
「…お前、水城先輩と繋がりあんの?」
「あるよー。実は私と環奈先輩は〜、っとこれはマック行ってから話そうか。村井、暇でしょ?」
なんだそりゃ。
っていうか仮に繋がりがあるとして、あの先輩はなんで俺の情報をこいつに流すの??
いや本当に。
「ほらほら!いいじゃん村井くん。たまには私らと喋ろうよ!私村井くんの話聞きたいなー!」
「そうそう!動画の話聞かせてよ!あの動画の村井くん、かっこよかったなー」
相田の取り巻き達が俺の手を取りぐいぐい引っ張る。
いや、こええぇよ。
俺どこに連れてかれるんだよ。
相田はともかく、お前らは俺のこと前まで完全に無視してたじゃん。
「俺、ほんとにいいから!金欠だし!」
「いや、マジで私ら面白そうだから話聞きたいだけだって。ちょっとくらい奢ってやるよ。ほら行くよ」
そう言って相田も一緒にグイっと腕を引っ張ってくる。
くっそ。どうすりゃいいんだ!?
腕を振り解くのは簡単だが、無理に腕を振り解いたら絶対ひんしゅくを買う。だけど、行くのを強引に断っても角が立つ。しかし、付いていったらどうせカツアゲコースだ。
悩んでいると、そこに救世主が現れた。
「おい、美咲!何そんな陰キャと楽しそうにしてんだよ!」
柳田である。どうやら彼はずっと俺達のことを見ていたようだ。
声を荒げる柳田に目を細める相田。
「は?私が誰と仲良くしようと勝手じゃん。って言うか何?悟、もしかして嫉妬してんの?きっしょー」
「ちげーよ!ばっかじゃねーの!お前ら、とにかくそいつから離れろよ!」
そう言って強引に俺を掴んでいる取り巻きの手を振り解いてくれる柳田。
柳田…お前ってやつは。
ぶっちゃけ彼が何でわざわざ介入して手を振り解いてくれているのかわからないが、助かる。
「いった!は?ひどくない?」
「柳田っちに関係ないじゃん!きっしょー!」
「はん。隠キャがうつらないようにしてやってんだから感謝しろよ。ほら、美咲も離せよ!」
「い・や」
相田がベーっと舌を出して挑発すると柳田は強引に相田の手を振り解く。
「離れろよ!」
「ちょっ!」
柳田が手を強引に振り解いたせいで、柳田の手が俺の眼鏡に引っかかり、あらぬ方向に眼鏡が飛んでいってしまう。
くっそ、どこいった?
「うわー、悟マジできしょい。器ちっさ!ちょっとダサすぎない? ほら、村井。眼鏡」
ヘラヘラ笑っている相田が俺の眼鏡を拾ってくれたようだ。
「悪い…」
そう言って俺は相田の方に顔を向けると眼鏡を渡してもらうために手を出す。
「はい、メガネ…え?」
「…」
「…」
なぜか一向に眼鏡を渡してくれない相田。
「…いや、眼鏡渡してくれよ」
「あ、ああ。はい」
眼鏡をかけると呆けた表情で相田が俺の顔を見つめていた。
なんだこいつ。
取り巻き達もどうしたのって表情で相田のことを見ている。
お、今なら見逃してもらえそう。
「じゃあ、柳田にも悪いし俺はこれで」
そそくさと部屋を出ると追いかけて来るやつはいなかった。
柳田…今日だけは感謝だ!
ありがとう!
しかし、スクールカースト上位達でも対立することもあるんだな。
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