水平線に願いを

「母さん!」

 弾かれたように俺は声を上げて目を覚ました。太陽は沈んでいたが薄暗い藍色の空に一番星が輝いて、水平線には漁火が輝いている。

 乾いた涙でパリパリする顔を拭って、俺は立ち上がった。


「もし、本当に願いが叶うなら…… 俺は…… 俺は……」

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