【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第922話 逢魔家がそのすごさをわからせてくる・・・
第922話 逢魔家がそのすごさをわからせてくる・・・
睦美の発表が終わって次は泰造の番になった。
「では、自分の番ですね。自分の従魔は写真じゃなくて直接見てもらいましょうか」
そう言って泰造は隣にいるアイボ以外のスライムを召喚した。
マシンスライムのライドとサタンスライムのデビ、ミミックスライムのミラ、ステルススライムのメットである。
ライドはビークルスライムから進化してマシンスライムになり、変身できる乗り物の種類が増えて移動に特化している。
デビはデーモンスライムからサタンスライムに進化し、強い悪魔だとアピールしたいのか角と翼、尻尾が禍々しくなった。
ただし、ベースがスライムなので実際には強キャラ感のある黒色のスライムに見えるだけだったりする。
それは良いとして、ミラとメットは露出度が他の3体に比べて少ないからしっかり見ておくべきだろう。
ミラは相手を騙すことやカウンターが得意なミミックスライムで、パッと見た感じはただのスライムだ。
なんだ、ただのスライムかと油断させて近付いたらこっぴどくやられてしまうので、掲示板ではミミックスライム被害者が嘆きの連投をしたことがあったりする。
ステルススライムのメットは隠密や奇襲が得意なスライムであり、触手を生やしてその形状を刃物に変えて攻撃するのが得意である。
身のこなしも軽いから、メットに攻撃を当てようとしてもなかなか当てられる者は多くない。
飛び跳ねて着地する時も音がほとんどしないから、慣れていないと同じクランのメンバーでもメットがどこにいるのかわからない時があるらしい。
「自分の従魔は5体でいずれもLv100です。正直なことを言えばもっと増やし、あっ、はい。ごめんね。もう言わないから」
泰造が従魔としてもっとスライムをテイムしたいと言ったとたん、アイボが泰造の手を握って首を横に振った。
アイボは人間の姿に変身できる訳だが、悲しくて今にも泣き出しそうな女の子の表情を作るのが上手い。
そんなアイボの顔を見れば、泰造がもっとスライムを増やしたいと言い切ることなんてできなかった。
独占欲の強いアイボは恐妻ではなく夫に罪悪感を抱かせるのが上手い妻のようだ。
気を取り直して泰造は発表を再開する。
「ダンジョンに通う頻度はほぼ毎日です。ダンジョン後のサウナは格別です」
(サウナーにサウナのことをしゃべらせたらいけない)
藍大は泰造が趣味のサウナについて語り始める気しかしなかったので、すぐに質問を差し込んだ。
「泰造、アイボ達は普段何を食べるんだ? 泰造と同じもの?」
「そうですね。それぞれ好みは分かれてますが、基本的に自分と同じ物を食べますよ。逢魔さん、逆に自分からも質問して良いですか?」
「良いぞ。何を訊きたい?」
サウナから話を逸らせるならばと藍大は頷き、泰造に質問する許可を出した。
「ゼルさんってどうして顔文字付きの吹き出しだけで喋るんですか?」
「俺にもわからん。スライムみたいな粘体系モンスターは発声器官がないから喋れない。だから、意思疎通をするのに吹き出しを使えるようになったんだと思うが、顔文字オンリーの吹き出しで喋るのはゼルだからとしか言いようがない」
ゼルはこの場におらず、シャングリラの地下神域で子供達と遊んでいるからこの場でゼル自身が説明することはない。
いまだにゼルには謎な部分が多いとだけ言っておこう。
その後も静音と睦月から泰造に質問が一度ずつあり、質疑応答が終わった所で次は優月の番である。
「ぼくのじゅうまはユノとナギの2体だけだよ。ユノだけじゃなくて、ナギもLv100になったんだ」
「優月君すごい」
「これが逢魔家の英才教育なのか」
静音と睦月は自分達が優月にテイマー系冒険者の実力で負けているとわかっていたが、具体的にレベルまで言われると苦笑した。
ユノは優月の隣で人化しているから良いが、もう一体の従魔であるナギは<
静音と睦月がナギについて質問した時、優月が答えられなくて自分が答えなければならないかもしれないと思って藍大はナギをモンスター図鑑で鑑定し始める。
-----------------------------------------
名前:ナギ 種族:アストレイドラゴン
性別:雌 Lv:100
-----------------------------------------
HP:3,100/3,100
MP:3,300/3,300
STR:3,500
VIT:3,500
DEX:3,100
AGI:3,100
INT:3,500
LUK:3,100
-----------------------------------------
称号:優月の従魔
融合モンスター
守護者
二つ名:鎧竜
アビリティ:<
<
<
装備:なし
備考:憑依中(優月)
-----------------------------------------
(なんとなくナギがゲンの影響を受けてる気がする)
ナギのステータスをチェックした藍大はゲンとの共通点をいくつか見つけてそのような感想を抱いた。
ゲン程の怠惰っぷりはステータスに現れていないが、<
「ダンジョンに行くのはしゅうに2かいだよ。今はいっぱいあそんですこしずつおべんきょうしなさいってお父さんが言うから」
「週2でダンジョンに行くだけでLv100が2体? どれだけ効率的な探索を行ってるんですか・・・」
「逢魔家がそのすごさをわからせてくる・・・」
優月の話を聞いて静音と睦月はどんな探索をしているんだと戦慄した。
ここから先は自分が話すべきだろうと考えて藍大が優月の話を捕捉する。
「優月が挑んでたのはシャングリラダンジョンだ。しかも、従魔の数が少ないからレベルアップしやすかったんだよ」
「逢魔さん、俺からも質問良いですか?」
「良いぞ。マルオは何が訊きたい?」
「優月君のパーティーはシャングリラダンジョンに逢魔さんが付き添ってるんですか?」
「付き添ってない。勿論、優月達だけで行ける階までしか行かせてないけど、それでもLv100の
具体的には優月達だけで地下12階までクリアできるようになっている。
地下12階から出現するモンスターのレベルが100オンリーになるのだが、優月とユノ、ナギだけで突破できる実力があるのだ。
「優月君のパーティーが予想以上に強いんですが、もしかして道場ダンジョンなら最上階まで行けちゃいます?」
「先日、14階のルキフゲスを倒して来たな」
「おぉ、半端ねえっす」
「「ドヤァ」」
優月とユノがシンクロしてドヤ顔になった。
藍大以外の実力者に褒めてもらえて嬉しかったようだ。
「優月君、私から質問しても良いですか?」
静音が藍大ではなく優月に質問があるらしく訊ねた。
テイマー系冒険者としてのキャリアは優月の方が上なので、優月は先輩として振舞えるんだとニコニコしながら頷いた。
「いいよ」
「ありがとう。優月君はなんのためにダンジョンに行くのかな?」
「おいしいごはんを食べるため!」
(発想が舞に似てる。親子だなぁ)
藍大がそんなことを思っているとユノが補足する。
「優月はダンジョンに行くことを運動として考えてるから、動いた後のご飯がおいしくてダンジョンに挑んでる。それに加えて、シャングリラダンジョンには食べられるレアモンスターが多いから、お義父さんに作ってもらう料理の食材を手に入れることも目的にしてる」
「逢魔家は食が重要な要素なんですね」
「うん! おいしいものをいっぱいたべられるってしあわせでしょ?」
「そうですね。それは幸せなことだね。質問に答えてくれてありがとう」
優月の回答を聞いて静音は優しく微笑んだが、それは他の参加者達も同じだった。
『優月は本当に良いことを言ってるよ。美味しい物をいっぱい食べられることは幸せだもん。ご主人、今晩も期待してるよ』
「よしよし。愛い奴め」
藍大はちゃっかり今晩もよろしくねとお願いするリルが愛らしくてその頭を撫でた。
少し早いが1日目のプログラムはここまでにして、夕食は昼食に参加していなかったメンバーも集めてバーベキューを行った。
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