【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第920話 舞リスペクトなの? ヒャッハーなの?
第920話 舞リスペクトなの? ヒャッハーなの?
智仁のターンが終わり、今度は涼子のターンに変わる。
「ブラド君、ソルの相手はケルベロスじゃないのにして」
「承知したのだ。主君の母君は何かソルに戦わせたいモンスターがいるのであるか?」
「智仁さんと敵が被るのは面白くないって思っただけよ。あっ、でも、倒した後に食べられるモンスターが良いわ」
「あいわかったのである。ならばこいつにするである」
涼子のリクエストを聞き、ブラドはヒッポグリフLv50を召喚した。
「ソル、あれは食べられるお肉よ! 頑張って!」
「ウォン!」
ソルは涼子からのエールを受けて<
ヒッポグリフはソルの攻撃を避けるべく空を飛んだ。
相手が空にいるならば、<
空から光の弾丸が雨のように降り注げば、頭上からソルを襲おうとしていたヒッポグリフが慌てて避け始めた。
「フィィィィィン!」
どうして自分が防戦一方になっているのかと不満に思い、ヒッポグリフは攻撃するソルを邪魔することにして急降下した。
<
「フィン!?」
「残念。それは<
「アォォォォォン!」
涼子が声をかけた直後にソルがヒッポグリフの頭上に<
奇襲を受けて地面に叩きつけられたヒッポグリフはまだHPを残していたため、ソルはきっちり<
ヒッポグリフがピクリとも動かなくなったため、ソルはご機嫌な様子で涼子に駆け寄って甘える。
「良い戦いだったわ。よしよし」
「ワフン♪」
涼子に顎の下を撫でられてソルは喜んでいた。
ソルが満足したところで藍大が声をかける。
「お疲れ様。油断せずにきっちりとどめを刺してるのは良かった。それに、アビリティを十全に扱えてたと思う。欲を言えば、リルみたいに大技になるアビリティがほしいところだね。今後の育成方針の参考にしてほしい」
「は~い。ソル、頑張って強くなろうね~」
「ウォン!」
ソルはリルに憧れているため、藍大のアドバイスを聞いて頑張りますと元気に吠えて応じた。
涼子の番が終わって次は優月の番が来た。
「さて、優月とユノの番であるな。何が良いかリクエストするのだ」
「お父さんみたいにワイバハムートが良い」
「ふむ。よかろう」
優月は
そんな優月の考えにブラドは納得してワイバハムートを召喚した。
「ユノ、やっちゃって」
「わかった」
<
「優月君とユノちゃんコンビがヤバい」
「さすゆづさすユノ」
「逢魔家は次代も安泰ですね」
マルオと睦美、泰造が優月とユノのコンビの戦い方を見て戦慄した。
自分の4分の1も生きていない優月達がワイバハムートLv100を相手にここまで圧倒的に倒すとは思っていなかったようだ。
もっとも、テイマーサミットでCN国のルーカスを打ち破っているのだから、優月とユノのコンビが普通に強いことは証明されているのだが。
ユノが再び<
「終わったよ」
「よしよし。さすがぼくのユノだね」
「うん。優月のユノだよ」
ユノは自分が優月のものだとアピールしてくれたことが嬉しかったようで、とても良い笑顔になった。
「優月もユノもお疲れ様。ユノが元の姿になってワイバハムートを怯ませ、その隙を突いて確実に仕留めたのは良い戦略だったぞ。早撃ちで倒すのもありだったけど、ユノの作戦の方が確実だ」
「エヘヘ。ユノ、やったね」
「うん。お義父様に褒めてもらえて嬉しい」
藍大は優月とユノの頭を一緒に撫でた。
それを見ているブラドは誇らしげに頷いている。
ブラドもユノの選んだ作戦がベストだったと思っているようだ。
優月達の次に控えるのは泰造である。
泰造は隣にいる嫁のアイボに戦ってもらうらしい。
「優月とユノがワイバハムートLv100を倒したのだ。大人ならばこれぐらい倒してほしいのである」
そう言ってブラドは泰造とアイボを挑発するようにディオメデホースLv100を召喚した。
「アイボ、やるよ」
泰造に声をかけられたアイボは
「舞リスペクトなの? ヒャッハーなの?」
(サクラさんや、俺もそうかなって思ったけど言っちゃうのね)
藍大は隣でアイボにマジかお前と言う表情をするサクラに心の中でやんわりとツッコんだ。
ディオメデホースは両前脚を高く上げてから地面に叩きつけ、<
それにより、ディオメデホースの正面からアイボに向かって岩が隆起していく。
「アイボ、そのまま跳ね返して」
コクリと頷いたアイボは左手の盾を前に突き出し、隆起しながら押し寄せて来る岩にそれをぶつけた。
その結果、岩が盾にぶつかった衝撃がアイボの前方に跳ね返り、隆起した岩を破壊してディオメデホースを襲った。
この現象はアイボが発動した<
まさか自分の攻撃が反射されるとは思っていなかったため、ディオメデホースは慌てて斜め前に跳んで避けようとする。
それをアイボは狙っていた。
アイボはメイスの右腕を伸ばし、遠心力たっぷりに横からディオメデホースを殴り飛ばしたのだ。
射程に入っていないから大丈夫だろうと油断していたため、ディオメデホースはアイボに殴られてあっさり吹き飛ばされて横転した。
起き上がれないディオメデホースに対し、<
ディオメデホースを倒したことを確認してアイボは<
「アイボ、お疲れ様。良い武器のチョイスだったね」
泰造に言われてアイボはニッコリと笑った。
「お疲れ様。ディオメデホースに負けない膂力は見事だった。それに敵の油断を突く戦い方も良かったよ」
「ありがとうございます」
アイボの戦い方は敵に合わせて柔軟に対応できそうだったため、藍大は戦闘を見た感想だけ伝えた。
「次は私の番ですよね、魔神様」
「そうだな。ブラド、睦美と戦うのに相応しいモンスターを召喚してくれ」
「うむ」
いつでも戦えますと言わんばかりの睦美を見て、藍大はブラドに対戦相手を用意するよう頼んだ。
ブラドがチョイスしたのはヨトゥンLv100だった。
「霜の巨人が相手ですか。メリエル、実力を見せなさい」
『OK。ワンパンで仕留める』
宣言したメリエルだが、睦美の発言を不快に思ったヨトゥンが両腕を伸ばして自分を捕まえようとしたのを躱して懐に入り込み、ヨトゥンの顎に強烈なアッパーを打ち込んだ。
<
「メリエル、良い拳だったわ」
『ステゴロ最強』
メリエルの言葉を聞いて疼く者が何人かいたが、いずれもテイマー系冒険者で自分の拳ではモンスターを倒せないからすぐにおとなしくなった。
「宣言通りに決めると気持ち良いだろうな。良い試合だった」
藍大も良い戦いではなく良い試合と言っているあたり、ステゴロ最強と言う言葉に感化されてしまったのだろう。
最後はマルオの番である。
マルオが戦わせる従魔は最初の従魔であるローラだ。
その対戦相手にブラドが選んだのはペリュトンLv100だった。
「なんだ、もっと強い敵を召喚してくれても良かったのに」
「まあまあ。みんなにローラの強さを見せつけてやろうぜ」
「わかった」
ローラは<
その直後にペリュトンから薔薇を模る切り傷が浮き出て、そこから血がドバっと出る様子は薔薇の花が咲くように見える程だった。
「流石ローラ。後で血をあげるからな」
「駄目。今貰う」
戦いを終えたローラは舌なめずりしてマルオから血を吸った。
ローラが満足したところで藍大が声をかける。
「アビリティのキレが良くなってる。また今度サクラにチャレンジする?」
「私は構わないけどどうする?」
「え、遠慮する。負け戦はしたくない」
もっと強い相手と戦いたそうにしていたから、藍大はサクラと戦う機会を設けようかとローラに訊いた。
サクラも構わないと言ったが、ローラはサクラに勝てるビジョンが見えなかったのでおとなしくなった。
なんにせよ全員の戦闘が終わったので、時間も丁度良かったことから藍大は昼休憩にした。
ちなみに、昼食は今までの戦いで倒した食べられるモンスターの肉を使って藍大が作ったから、藍大の料理を食べる機会が少ない者達は大喜びで食べた。
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