【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第912話 助かったのだ。主君は吾輩にとっての救いの神なのだ
第912話 助かったのだ。主君は吾輩にとっての救いの神なのだ
ラハブをヤバい奴認定した後の藍大の行動は早かった。
「やられる前にやる!」
ゲンの力を借りて藍大は<
「私に水は効かないぃぃ!?」
ラハブは<
しかし、藍大の<
雨の槍が降り注ぎ、反応が遅れたラハブはギルティペインを頭上で高速回転させて盾代わりにした。
それでも、数の暴力には勝てなくて雨の槍がラハブを傷つけていく。
「隙だらけなのよっ」
ゴルゴンが上ばかりに気を取られているラハブに<
それによって封印晒しが燃えてなくなり、晒しが押さえつけていた中身が露呈する。
「ククク、やっと邪魔な晒しがなく」
『(-ω-)/はい、ドーン』
ゼルが喋っている途中のラハブに対し、<
よく見てみれば、ゼルの攻撃が確実に当たるようにメロが<
「URYYY!!」
氷の刃が突き刺さった瞬間、ラハブが奇声を上げた。
<
変化はそれだけに留まらず、ラハブのサイズが倍になって下半身が蛸のようになった。
「ようやく本気が出せ」
「タコ焼きにしてやるのよっ」
ゴルゴンが<
ラハブは<
「いい加減にしなさい! さっきから私が喋る邪魔ばかりして!」
『(^-^)WA☆ZA☆TO』
「小娘ぇぇぇぇぇ!」
ゼルがニコニコしながら深淵の弾丸を乱射すれば、ラハブは額に血管を浮き上がらせながら<
「狙い撃つです」
<
ゴルゴンとゼルの鬱陶しい攻撃によって注意が散漫になっていたから、ラハブの反応が遅れた。
それに加えて藍大がこっそりメロの力を借り、<
結果として、ラハブの脳天にメロの<
痛みのせいでラハブが操っていた水のクラーケンが消え、ゴルゴンはラハブ本体に攻撃できるチャンスを得たから追撃する。
「ドーンなのよっ」
<
ラハブを倒した後、仲良しトリオは全員藍大に抱き着いた。
「お疲れ様。見事なチームワークだったな」
「マスター、あんなやつのおっぱいに誘惑されたら駄目なんだからねっ」
「そうです! マスターには私たちがいるですよ!」
『(^O^)/当ててんのよ』
仲良しトリオは<
「大丈夫だから落ち着こう? あのラハブは中身サイコパスだったから、俺も積極的に倒そうとした訳だし」
「ブラドに抗議してやるのよっ」
「それよりも舞に念じるです」
『( ..)φブラドがエロい雌モンスターを召喚したぞっと』
『止めるのだ! 誤解である! はっ、騎士の奥方!? ぬぁぁぁぁぁ!』
仲良しトリオが舞にブラドがやらかしたと念じた結果、ブラドは舞にお仕置きと称してハグされてしまった。
藍大の頭にはブラドが舞に抱き締められて絶叫しているのがテレパシーとして飛んで来たが、藍大はよくあることなので華麗にスルーした。
仲良しトリオを落ち着かせた後、藍大はラハブを解体してその魔石をゼルに与えた。
魔石を飲み込んだところ、ゼルから知的なオーラが噴き出した。
『ゼルのアビリティ:<
(どうしてこうなった)
藍大はゼルの予想外のパワーアップに困惑した。
<
『(≧▽≦)私がインテリジェンスだ』
「ゼルさんや、一旦落ち着こうか」
頭の悪そうな顔文字の吹き出しが見えたため、藍大は苦笑しながらゼルを落ち着かせた。
ゼルの強化が終われば道場ダンジョン15階に用はないので、藍大達は戦利品を持って帰宅した。
藍大達が帰ると玄関に舞とサクラ、リルが出迎えてくれたのだが、舞はぐったりしたブラドを抱っこしたままだった。
「ただいま。まだ抱っこしてたんだ?」
「おかえり。今回のはブラドが悪いから私は止めなかった」
サクラはブラドが悪いから助けるつもりはないと言い切った。
「もう許してほしいのだ。二度としないから解放してほしいのである」
「ちゃんと反省するまで駄目~」
ブラドは悪気があってラハブをフロアボスとして配置した訳ではなかったが、これ以上舞にハグされるのは勘弁してほしくて解放してくれと頼んだ。
舞は正当な理由でブラドをハグできるチャンスを簡単に手放すはずがなく、ニコニコしながら駄目だと言った。
ブラドが子犬のような目で藍大に助けてくれと訴えるので、藍大はやれやれと首を振った。
「舞、そろそろブラドを許してあげて。ラハブはちょっとアレなモンスターだったけど、新しくルーボクサーとヴォルパーティンガーのお肉が手に入ったのはブラドのおかげだからさ」
「しょうがないな~。ブラド、次やったら一日中ハグしちゃうからね~?」
「わかったのだ! もうやらないのだ!」
解放してもらえる雰囲気を察し、ブラドはハキハキと応じた。
そして、ブラドは舞のハグからようやく解放されて藍大に感謝する。
「助かったのだ。主君は吾輩にとっての救いの神なのだ」
「いや、ただの魔神だから」
藍大はそんな神になっていないぞとツッコんだ。
それから宝箱を取り出してサクラに渡す。
「サクラ、今日もお願いするよ」
「任せて。今日は何が良い?」
「メロ、牛蒡の種で良いんだっけ?」
「はいです! 牛蒡が良いです!」
藍大はメロから次に宝箱から野菜の種を取り出すなら牛蒡が良いとリクエストを受けていたため、そのリクエストに間違いはないか訊ねた。
メロは藍大が覚えていてくれたことで笑顔になり、その通りだと力強く頷いた。
「わかった。はい、これ」
「ありがとう。神牛蒡の種だな。メロ、これも任せるよ」
「ありがとなのです!」
メロは藍大に抱き着いて感謝の気持ちを伝えた。
その隣で食いしん坊ズは育った神牛蒡を想像し、それを使った料理に思いを馳せていた。
「ワイバハムートと一緒にしぐれ煮かな~」
『王道のきんぴらごぼうは外せないよね』
「待つのである。この前テレビで味噌煮も美味いとやってたのだ」
そんな話をしていると食いしん坊ズから空腹のサインが聞こえ、藍大は早速夕食作りを始める。
今日は咲夜と両親が初めての従魔をテイムしためでたい日だ。
既にクランの掲示板ではその写真や動画でお披露目をされているが、せっかくだから直接お披露目する機会があっても良いだろうということで、今夜はクランメンバーとその家族を集めたバーベキューなのだ。
ついでに言えば、茂の家族もそこに参加することになっていたので、既にキッチンでは千春が仕込みを進めていたりする。
千春と合流して準備をてきぱきと終わらせると、シャングリラの地下神域には参加者が揃っておりバーベキューが始まった。
お馬鹿トリオがはしゃいでいるものの、今日は羽化の丸薬の素材を調達しにダンジョンに行っていたことでパンドラの尻尾ビンタはなかった。
パンドラも健太がしっかりクランに貢献したことを考慮し、今日ぐらいは大目に見てあげようと思ったらしい。
「藍大、国民総覚醒化計画案が国会で可決された。悪いんだけど、明日には日本のトップクランのメンバーにその方針を説明したい。Web会議に参加してくれないか?」
「良いけどもうそこまで進めたのか。手際が良いな」
「まあな。それだけ前からコツコツと進めてたのさ。とりあえず、明日はよろしくな」
「了解。さて、今はバーベキューに専念しようぜ。千春さんが仕事の話ばっかりすると膨れるぞ」
「だな。新種の肉もあるみたいだしいただくよ」
藍大と茂は仕事の話を切り上げ、バーベキューを楽しんだ。
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