【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第828話 スケジュールが詰まってるの。さっさと始めましょう
第828話 スケジュールが詰まってるの。さっさと始めましょう
ブラドは優月達にこれ以上もう
手に入れた魔石に罪はないから、ブラドが優月にプレゼントして優月はそれをナギに与えた。
ナギはLv60になった時に<
ナギは自分の耐久力を上げることよりも、優月の強化を優先したいと念じていたようだ。
(しかし参ったな。ナギが”まだ守護者”になってないぞ)
本来は2階のフロアボスを優月達が倒し、それによってナギが”守護者”になる想定だった。
ところが、ケンタウロスが優月には関わらせたくない程に変態だったせいでその予定が狂った。
「優月はどうしたい? まだ昼まで時間はあるけど、このままダンジョンを探索したい?」
「うん! ぼくたちはまだまだへっちゃらだよ! ね?」
「全く問題ない」
「グルゥ」
倉庫ダンジョンはフロアの面積だけで言えば大して広くない。
その上、優月とユノは戦闘以外ではナギの背中に乗って移動しているから、優月が疲れることはないのだ。
ナギも自分に適した強さのモンスターの魔石を次々に取り込んでいるため、スクスクと成長しており、優月と人の姿のユノを運ぶことぐらいへっちゃらである。
だからこそ、藍大は3階にこのまま行ってみるか訊ねたのだ。
優月達がやる気満々だったので、藍大はその意思を尊重することにした。
「わかった。それならこのまま進もうか」
「「うん!」」
「グルゥ!」
藍大に許可を得た優月達は元気に3階へ進んだ。
ケンタウロスがLv70だったこともあり、3階がボス部屋だけという可能性も藍大の頭に浮かんでいた。
それが現実となり、階段を上がった優月達の前にはボス部屋の扉があった。
ボス部屋の中に入るとデュラハンが待ち構えており、フロアボスと”ダンジョンマスター”のどちらだろうかと藍大がそのステータスを確認した。
(Lv80で3階のフロアボスってことは次が”ダンジョンマスター”かな)
目の前のデュラハンが中ボスだと知り、藍大は優月がどんな選択をするか見守る。
「ナギにはちょっときびしそう。ここはユノにおねがいするよ」
「グルゥ・・・」
「ナギ、そんなしょんぼりしないで。優月の見立ては正しい。多分だけど、あいつはナギよりもレベルが15以上高い」
ユノの推測は正しい。
今のナギはLv62であり、デュラハンと比べてレベルが18も離れている。
いくら称号で強化されるとしても、苦戦を強いられるのは想像に難くない。
ユノは前に出てデュラハンと相対する。
「スケジュールが詰まってるの。さっさと始めましょう」
デュラハンは自身の頭部を上空に放り投げると、大剣を振りかぶってユノに接近する。
自分を片手間に倒そうとするユノの発言に挑発されたようだ。
「かかった」
ユノがニヤリと笑みを浮かべて<
デュラハンは自身の弱点である頭部を守るため、ユノの攻撃が届かないように上空に頭部を投げてから攻撃を仕掛けたのだが、それはユノの狙い通りだったのだ。
空中で頭部を守る手段がないせいで、高速回転する光の刃にヘルムは真っ二つにされてしまい、デュラハンの胴体はコントロールを失って転んだ。
それでも、まだHPが残っていたからユノは再び<
流石にそこまでされてしまえばデュラハンも力尽きてしまい、それまでじたばたしていたデュラハンの体はピクリとも動かなくなった。
(シャングリラダンジョンにいる奴よりは弱かったな)
シャングリラダンジョンでは地下9階のフロアボスとしてデュラハンが現れる。
頭部で攻撃してくるような個体の時もあるが、それでも能力値がシャングリラダンジョンと比べて倉庫ダンジョンの個体は低かった。
藍大がそのように考えている隣でブラドがドヤ顔だったけれど、それは藍大の思考を呼んだからそんな顔をしていたのだろう。
「優月、終わったよ」
「ユノ、おつかれさま」
「グルゥ・・・」
余裕な様子でデュラハンを倒した報告をするユノを見て、ナギはこれが自分とユノの間に広がる差なのかとユノの強さを再確認した。
ユノが優月に労ってもらった後に戦利品回収に移り、藍大はデュラハンの大剣をチラッと見た。
この大剣はそこそこの武器だけれど、優月とユノがバルムンク=レプリカを宝箱で引き当ててしまったから使う者がいない。
これは素直に売却するか、ドライザーが武器の合成素材として使うかの二択である。
デュラハンの魔石はユノが欲しがったため、ユノに与えられた。
ナギは今日だけでも多くの魔石を譲ってもらっていたから、自分の戦っていない敵の魔石を貰うつもりはなかった。
”守護者”の称号を得てレベルも65まで上がったので、これ以上は貰い過ぎだと思ったらしい。
ユノは魔石を取り込んだことにより、白銀の髪が一段と綺麗になった。
そして、ユノの<
<
したがって、悪魔やアンデッド系統のモンスターに対して効き目が強くなっている。
「ユノがまたつよくなったね」
「優月のためならいくらでも強くなれるよ」
「よしよし。ういやつめ」
優月がユノに向かって両手を広げれば、ユノは嬉しそうに抱き着く。
抱き着いて来たユノの背中をポンポンと叩く優月の姿は幼いながらもしっかりと主人らしさが感じられた。
「この調子なら”ダンジョンマスター”も倒せそうだな。優月、チャレンジしてみるか?」
「うん! ユノならかてるってしんじてるもん!」
「絶対に負けられない戦いがそこにはある」
優月の期待を裏切る訳にはいかないので、ユノは真剣な顔つきになった。
藍大の予想では倉庫ダンジョンの”ダンジョンマスター”はLv90だった。
しかも、今までに出て来たモンスターの質からしてLv90だとしても弱い部類と予想している。
それならばユノに戦いを任せても問題ないと判断した。
4階は藍大の予想通りに”ダンジョンマスター”の部屋であり、その中にいたのは牙と蝙蝠の翼が生えた魔導書の見た目のモンスターだった。
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名前:なし 種族:ガギソン
性別:なし Lv:90
-----------------------------------------
HP:1,800/1,800
MP:2,400/2,400
STR:1,800
VIT:1,800
DEX:2,400
AGI:1,500
INT:2,400
LUK:2,100
-----------------------------------------
称号:ダンジョンマスター(倉庫)
歩く魔導書
アビリティ:<
<
<
装備:なし
備考:意味はないけれどムシャムシャしてやりてえ!
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(これはまたユノの実験台になってくれそうなモンスターだな)
藍大はガギソンのステータスを調べてそのような感想を抱いた。
ガギソンは悪魔系のモンスターであり、先程ユノが会得した<
藍大がモンスター図鑑でガギソンのことを調べている間、ユノは本来のドラゴンの姿に戻って臨戦態勢に移っていた。
「ヒャハハハハハ!」
人を馬鹿にしたような声の直後、深淵の砲弾がユノ目掛けてガギソンから発射される。
それに対してユノは冷静に<
深淵の砲弾はあっけなく真っ二つになり、高速回転する聖光の刃はそのままガギソンに向かって飛んでいく。
AGIの数値はLv90にしては大して高くないせいで、ユノの<
「ギュエ!?」
両翼を切断されたガギソンは床に落ちるしかなく、落下して床に打ち付けられたことでダメージを負った。
隙ができたと判断し、ユノは<
翼がなければまともに回避することもできず、ガギソンは<
オーロラのように綺麗なブレスを一身に浴びてしまい、ガギソンはそのまま力尽きた。
「掌握完了なのだ」
ブラドはユノを倉庫ダンジョンの”ダンジョンマスター”にする訳にはいかないので、うっかりそうなることのないように瞬時に倉庫ダンジョンを掌握した。
ガギソンを倒したことを確認したユノは人の姿に戻って優月に抱き着いた。
「優月~、勝ったよ~」
「みてたよ。ユノはとってもつよかったね」
「エヘヘ♪」
ドラゴンの姿で暴れた分、ユノは人の姿になった時に優月に甘えたくなったらしい。
ユノの気が済むまで優月に甘えた後、戦利品の回収作業を行った。
ガギソンの魔石もユノに与えられ、ユノの<
このアビリティは領域内の浄化に加え、領域に向けられた魔法系攻撃を発動した者のMPに変換する効果がある優れものだ。
また、ユノの空いたアビリティ枠には<
当初はユノとナギにスタンピードを鎮圧させるだけのはずだったが、ユノのアビリティの強化とナギの大幅なレベルアップと”守護者”の獲得まで達成したため、優月達のD国遠征は大成功に終わった。
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