【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第426話 カレーライスを超えたスーパーカレーライス
第426話 カレーライスを超えたスーパーカレーライス
リル達が満足した後、藍大はスフィンクスを解体して手に入れた魔石をドライザーに与えた。
「ドライザー、スフィンクスの魔石はお前のものだ」
『かたじけない』
ドライザーは藍大の手から魔石を受け取った魔石を吸収した。
その途端にドライザーが放つ存在感が増した。
『ドライザーのアビリティ:<
(リルとは違う方向性なのか?)
リルが<
しかしながら、その予測は外れてドライザーは<
予測は外れてもアビリティが強化されたことは間違いなく、ドライザーの役割からしてダンジョン探索に行く機会は少ないので神聖なアビリティが強化されたことに藍大は喜んだ。
「強力なアビリティを会得できて良かったじゃないか」
『貴重な機会をくれたボスに感謝を』
ドライザーのパワーアップとスフィンクスの回収が完了すると、リルはじーっと壁際のある部分を見つめていた。
「リル、どうしたんだ?」
『ご主人、あっちの壁の奥に何か隠されてるよ』
「宝箱かな?」
『多分そうだと思う』
「ふむ。今日は舞がいないからどうしたものか」
藍大は今日の探索に舞がいないことで壁を壊せる者がいないと思っていた。
しかし、それは藍大の勘違いだった。
『安心してご主人。壁なら僕も壊せるよ』
「えっ、マジで?」
『うん。見てて!』
リルは自信満々に<
その結果、壁が斬れてその奥から宝箱が現れた。
「すごいぞリル! リルも壁を壊せたんだな!」
『ワフン♪』
藍大はドヤ顔になったリルがかわいらしいので労いの意味を込めて顎の下を撫でた。
その後、サクラがいないので宝箱は収納リュックの中に回収して先へと進んだ。
キャロピノとバナホーンタロスが何度か現れたものの、藍大達はあっさりと倒してボス部屋まで辿り着いた。
『ご主人、今日のボスは食べられる?』
「ブラド曰く食べられるってさ」
『頑張る!』
「やってやるニャ!」
『倒してパパに料理してもらうの!』
食いしん坊な3体はフロアボスが食べられるモンスターだと知ってやる気十分である。
リルが<
ボス部屋のあちこちにも木の根っこが張り巡らされており、部屋の中心には三つ首のモスグリーンのドラゴンがいた。
「ん? なんだお前達は?」
「誰だって死ねば死体だ。
「良いと思うよ」
首同士が話している隙に藍大はモンスター図鑑でフロアボスについて調べた。
-----------------------------------------
名前:なし 種族:ブネ
性別:雄 Lv:100
-----------------------------------------
HP:4,000/4,000
MP:4,000/4,000
STR:3,000
VIT:3,000
DEX:3,500
AGI:2,000
INT:3,500
LUK:3,500
-----------------------------------------
称号:地下12階フロアボス
到達者
アビリティ:<
<
<
装備:なし
備考:なし
-----------------------------------------
(遠距離戦特化のアビリティ構成だな)
ステータスを確認し終えて藍大はブネが遠距離戦を得意とすることを察した。
近接戦闘向けのアビリティがないのもそうだが、遠距離から攻撃できるアビリティと敵を自分に近づけさせないアビリティが多いのだ。
「出でよ下僕共」
「行ってこい」
「吹き飛ばせば良いと思うよ」
ブネは<
「リル!」
「アォォォォォォォォォォン!」
「「「何ぃ!?」」」
藍大に細かい指示を受けずとも、リルは藍大の言いたいことを察して<
リルの咆哮によって幽霊達はあっさりと消滅し、ブネのいずれの首も驚きを隠せなかった。
ブネが驚いている隙に藍大は次の指示を出す。
「フィア、<
『燃えちゃえ!』
緋色に輝く炎の嵐に包み込まれてブネのどの首も叫び出さずにはいられない。
「止めろぉぉぉぉぉ!」
「熱い熱い熱い!」
「焦げてしまうよ!」
「ドライザーは<
『OKボス!』
「任せるニャ!」
「やられて堪るか!」
「時間を稼げ!」
「もうやってるよ!」
ドライザーの追撃に対してブネは<
ミオはブネが炎の嵐から逃げ出さずに茨のドームの中に引き籠ったのを知り、<
茨のドームでは耐えきれないと判断してブネが飛び出してくるのを待つつもりだ。
ところが、ブネはミオの予想外の手段を選んだ。
ボロボロになった茨のドームの中から新しい爆発が生じ、茨のドームも炎の嵐も泡の罠も全て吹き飛ばした。
「ブネの奴、大量に召喚した幽霊を爆破して全部吹き飛ばしたのか!」
その藍大の推測は正しく、ブネの体は<
何もできない状態をリセットするため、ブネは<
「許さんぞ!」
「許すはずがない!」
「許さないよ!」
怒ったブネの全ての頭から<
「撃ち合いで負けるな! 全員迎撃!」
リルが<
それらの攻撃によってブネの攻撃にパワーで押し勝ち、ブネは大ダメージを負った。
「リル、とどめを頼む」
『わかった! えいっ!』
リルの<
「みんなグッジョブ! 攻撃を攻撃で破る激しい戦いだったな!」
藍大はリル達によく頑張ったと時間をかけて労った。
それから魔石だけ回収して残りは収納リュックにしまい込み、藍大は魔石をフィアに与えることにした。
「ミオの方が司達から魔石を貰ってる回数が多いって報告を受けてるし、今回はフィアにあげることにする」
『わ~い』
「羨ましいニャア」
「悪いなミオ。また今度だ」
「わかったニャ」
魔石を飲み込んだフィアの羽毛が一段と鮮やかになった。
『フィアのアビリティ:<
『フィアがアビリティ:<
「フィア、すごいじゃないか。回復も状態異常回復もどっちもできるなんて」
『お歌が上手くなったんだよ!』
「よしよし、愛い奴め」
<
フィアもすごいアビリティを会得したとわかって得意気である。
やるべきことは全て終わったので、藍大達はダンジョン地下12階から脱出した。
帰宅した藍大はすぐにサクラに宝箱を開けてもらった。
「主、菜箸が入ってた」
『ご主人、ユグドラシルの菜箸だって!』
「安定の激レア調理器具。流石はサクラだな」
「えっへん」
サクラが藍大のために優れた調理器具を宝箱から引き当て、藍大はサクラに感謝してその体を抱き締めた。
そこに舞が話しかける。
「藍大~、今日のお昼は何かな~?」
「カレーライスを超えたスーパーカレーライス」
「カレーライスを超えたスーパーカレーライス!? 何それ美味しそう!」
「キャロピノの人参とブネの肉を使うから今までよりも美味しくなるはずだ」
「うぅ、待ちきれないよ! 藍大、早く作って~!」
『ご主人、僕もお腹空いた!』
「はいはい。今から大急ぎで作るから適当に摘まんで待っててくれる?」
藍大は食いしん坊コンビが早くカレー食べたいと訴えるので急いで準備に取り掛かる。
舞は藍大の提案を魅力に感じたが首を横に振った。
「それじゃ駄目だよ! お腹空かせていっぱいカレー食べる!」
『僕も!』
「・・・なる早で作るから我慢しててくれ」
「『は~い!』」
「主、私も手伝う」
「頼んだ」
この後完成したカレーライスは過去最高速度で鍋が空になった。
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