第313話 バーベキューは別腹なの!

『ドライザーがLv98になりました』


『ミオがLv100になりました』


『ミオがアビリティ:<起爆泡罠バブルトラップ>を会得しました』


『ミオが称号”到達者”を会得しました』


『フィアがLv83になりました』


『フィアがLv84になりました』


『フィアがLv85になりました』


『フィアが称号”火聖獣かせいじゅう”を会得しました』


『おめでとうございます。聖獣を冠する称号の従魔をコンプリートしました』


『相乗効果により逢魔藍大の拠点シャングリラが全ての災害から守られます』


『おめでとうございます。逢魔藍大が大罪を冠する称号を持つ人と従魔、聖獣を冠する称号を持つ従魔、”アークダンジョンマスター”を持つ従魔をコンプリートしました』


『逢魔藍大が称号”楽園の主”を会得しました』


『初回特典として逢魔藍大が認める者以外シャングリラに入れない結界が展開されました』


 (待って待って。リザルト多過ぎ。どゆこと?)


 システムメッセージが鳴り止むと、聞こえて来た内容を順番に思い出した。


 ミオがLv100に到達してフィアが”火聖獣”の称号を会得した。


 ここまでは簡単に頭の中に入って来た。


 そこから先がとんでもないのだ。


 てっきり火と水、風、土に関する災害だけがシャングリラに影響を及ぼさなくなると思っていたが、まさかの全ての災害がシャングリラと無縁になった。


 どんな天変地異が起きてもシャングリラだけは被害が生じないというのだから、”聖獣”をコンプリートした意味は大きいと言える。


 そして、大罪を冠する称号の人と従魔、聖獣を冠する従魔、”アークダンジョンマスター”を持つ従魔をコンプリートしたことで藍大は”楽園の主”になった。


 ”楽園の主”の効果はシステムメッセージでは案内されなかったが、その初回特典によってシャングリラに藍大の許可なき者は誰も入れなくなった。


 これで国際会議中に現れた侵入者も今後は侵入できなくなり、シャングリラ内にいれば安全は約束されたも同然である。


 フィアが”火聖獣”になったことで、シャングリラは楽園として完成した。


 誤解を恐れず表現するならば、日本の神奈川県にシャングリラという独立要塞国家が誕生したのだ。


 とりあえず、藍大は自分が舞達を労わずに思考の海を漂っていたせいで舞達に心配そうに見られていたことに気づいた。


「あぁ、ごめん。みんなお疲れ様。フィアが”火聖獣”になったことで色々変化が合って戸惑ってた」


『フィア、パパのこと困らせちゃったの?』


「違うよ。違うんだ。フィアは良い子だ。フィアのおかげでシャングリラがもっと快適な場所になったからな」


『良かった~』


 フィアがびっくりしてしまったので、藍大は慌ててフィアの誤解を解いた。


 藍大に優しく頭を撫でられることにより、フィアはリラックスした状態になった。


「藍大、シャングリラはどうなったの?」


 舞の質問は至極当然だ。


 舞だけでなくその他のパーティーメンバーも舞の質問に対する答えを望んでいる。


 それゆえ、藍大は今自分が知った内容を舞達に全て伝えた。


「すご~い! 藍大のおかげで優月も安全だね!」


『完全無欠! 最強無敵だね!』


『ボスに仕えられた幸運を感謝する』


「ミーもテイムされて良かったニャ!」


『パパ、おめでと~!』


「みんなありがとう!」


 舞達の反応は藍大を喜ばせるには十分だった。


 パーティーメンバーと喜びを分かち合った後、藍大は回収したデュラハンから手に入れた魔石をミオに与えた。


 その瞬間、舞に抱き着かれてダメージを負っていたミオのキューティクルが完全復活を遂げた。


『ミオのアビリティ:<創水武器アクアウエポン>がアビリティ:<創水武装アクアアームズ>に上書きされました』


「ニャア! ミーの毛並みが復活したのニャ!」


「じゃあちょっとだけ抱き着いても良いかな?」


「駄目ニャ! 絶対駄目なのニャ!」


「そっかぁ。残念」


 ミオは藍大の後ろに隠れて舞に自分の体には触れさせまいと強く拒否した。


 藍大も今度はミオがかわいそうだったので無言でミオの盾になってあげた。


 それはさておき、藍大達はやるべきことを終えたのでシャングリラダンジョンを脱出した。


 自室102号室に戻ると、サクラ達がニコニコしながら出迎えた。


「お帰りなさい」


「待ってたわっ」


「お帰りなさいです!」


『オカエリε=ε=(ノ≧∀)ノ♪』


「帰って来たか」


「ただいま。良い知らせがあるぞ」


 藍大はリビングに移動してからフィアが”火聖獣”になった影響で起きたことを説明した。


 すると、サクラ達はそれを大いに喜んだ。


「流石は主。日本から独立して覇権を狙えるレベル」


「マスターやるわねっ。流石私の旦那様だわっ」


「マスターは最高です!」


『.。*゚+.*.。(最´∀`高)゚+..。*゚+』


「吾輩、今日は昼からお祝いでも一向に構わんのである」


「賛成!」


『僕も!』


「ミーも賛成ニャ!」


『お祝い嬉しいの!』


 ブラドが昼食からお祝いの流れを作ったことにより、新しく加入したミオも含めた食いしん坊ズとフィアがそれに乗っかる。


「よし、わかった。昼からお祝いだ!」


 藍大が嫌がる理由はなく、昼からお祝いをすることが決定した。


 昼食はアジ・ダハーカとトリニティワイバーン、トライコーンをふんだんに使った肉料理祭りとなり、食いしん坊ズのテンションが上限突破した。


「もう食べられないよ~」


『幸せ~』


「吾輩、満足」


「いっぱい食べたニャ。しばらく動けないのニャ」


 食いしん坊ズはテンションMAXで食べまくった結果、食べ過ぎで動けないと言うベタな事態に陥った。


 それでも舞達の顔に後悔の色は微塵もない。


 見ていて気持ちの良い食べっぷりだったので、藍大は舞達の食べ過ぎを咎めたりしなかった。


 昼食後、藍大はクランの掲示板で今日の出来事について報告することにした。



◆◆◆◆◆


【部外者立入禁止】”楽園の守り人”専用スレ@92【ここが楽園か】


1.祭囃子

 ”楽園の守り人”のクランメンバー専用スレッドです

 機密性の高いクランに関わる内容についてはここで話して下さい

 他のSNSでクランの活動に関わることは書かないように気をつけましょう

 コテハンは残念ながら二つ名になってるので変更できません

 変えるには偉業が必要なので頑張らないといけません

 次スレは950を踏んだ人が立てること


◇◇◇◇◇


777.東洋の魔王

 ラッキーセブンゲット

 全員注目!

 今日の探索でフィアが”火聖獣”になったので拍手!

 


778.暴食騎士

 (*・∇・ノノ゙☆パチパチ

 

779. 魔王様の筆頭従魔

 (^・ェ・^ノノ゙☆パチパチ


780.祭囃子

 (*屮°∀°*)屮ワッショイワッショーイ!!


781.開拓者

 >777

 おめでとう!

 フィアが”火聖獣”になったことでどんな変化があったの?


782.東洋の魔王

 聞いて驚け

 火水風土に関する災害どころか全ての災害がシャングリラでは無効化される


783.妄想弓士

 どんなフィールド魔法やねん!

 そんなもん禁止カードやろ!


784.飲猿

 私知ってる

 これだけで終わるなんてことないわ

 藍大、他にもまだ発表することがあるんでしょ?


785.東洋の魔王

 良い勘してるな

 フィアが”火聖獣”になった結果、俺が”楽園の主”になった

 それによって俺の許可を得てない者は誰もシャングリラに入れなくなった

 楽園は完成したとここに宣言しよう


786.ゴッドハンド

 逢魔さん、国でも興す気ですか?


787.祭囃子

 藍大、青空瀬奈は不許可な

 お兄さんとの約束だぞ!


788.妄想弓士

 コラコラ、誰がお兄さんやねん


789.飲猿

 藍大、緑谷麗華も不許可ね

 お姉さんとの約束だからね!

 

790.開拓者

 麗奈、君もか・・・


791.暴食騎士

 青島さんと麗奈のブラックリスト入りは置いとこうね

 でも、優月を安全に育てられるのは嬉しい


792.魔王様の筆頭従魔

 主に歯向かう者、媚びる者はどんな木っ端でもブラックリスト入り

 異論は認めない


793.ゴッドハンド

 サクラさん過激ですね・・・

 で、でも、防犯セキュリティが高いのは戦えない身としては嬉しいです

 シャングリラには貴重な物ばかりなので留守を預かる身としては安心できます


794.祭囃子

 正直なところを言えば、俺も遥さんが家にいる時に襲われないのにホッとした

 流石は藍大!

 今日はバーベキューで決まりか?

 決まりだよな?

 決まりだと言ってくれ!


795.東洋の魔王

 必死かよ

 まあ、楽園完成記念で今晩は孤児院の人達も呼んでバーベキューにする気だけど


796.暴食騎士

 やった~!

 バーベキューだ~!


797.魔王様の筆頭従魔

 さっき動けなくなるまで食べたのに平気なの?


798.暴食騎士

 バーベキューは別腹なの!


799.開拓者

 それはデザートの間違いなんじゃ・・・


◆◆◆◆◆

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