【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第296話 幼女にジェラってどうすんだよ
第296話 幼女にジェラってどうすんだよ
翌日の水曜日、藍大達は多摩センターダンジョンにやって来た。
昨日シャングリラダンジョンに行ったメンバーからブラドが外れ、幼女トリオが加わっている。
勿論、今日も藍大が優月を抱っこ紐で固定した状態で連れて来ている。
「内装がテレビで見た神殿みたいだな」
「似たような建物をふし〇発見で見たわねっ」
「私達はミステリーハンターになったですか」
『( p′︵‵。)チャラッチャラッチャーン♪ミヨヨヨーン… 』
「何その顔文字!?」
藍大はゼルの顔文字のパートリーに驚いていた。
まさかボッ〇ュートまで対応できるとは予想外だったからである。
頭を切り替えて探索に集中した。
そんな藍大達が最初に遭遇したのはインプLv40の群れだった。
人間の幼稚園児程度の背丈だが、見た目は可愛らしいものではなく悪魔の幼体と言うべきものである。
「「「・・・「「キャキャッ」」・・・」」」
獲物を見つけたと言わんばかりに喜び、インプ達は<
「ミーのターンなのニャ!」
ミオは<
Lv79のミオのINTがインプ達に負けるはずもなく、火の玉はあっさりと消えてしまう。
その勢いで水の剣がインプ達を串刺しにして戦闘が終わった。
「こうなのニャ! これでこそミーは働いてると言えるのニャ!」
シャングリラダンジョンでは舞達の活躍のせいで自分の存在意義が薄れてしまっていたから、今日は初戦から活躍できてミオの機嫌が良くなった。
藍大もミオが活躍してご機嫌になるのは嬉しいことなので、よしよしと頭を撫でながら声をかける。
「ミオ、この調子で1階は頼むぞ」
「任せるニャ!」
インプの死体を回収して先へと進むと、藍大達は1階で各種インプと遭遇した。
インプの派生種はインプメイジとインプランサー、インプアーチャーの3種類だけだ。
いずれもLv40だからミオの敵ではない。
”掃除屋”はLv45のインプモンクで肉弾戦もできるインプだったが、ミオが近づけさせずに<
剣と盾を使える悪魔騎士見習いという見た目だったが、インプモンクと同様にミオが<
「1階はミーには弱過ぎたニャ」
「そうだな。とりあえずお疲れ様」
「ニャ~♪」
これまでのミオの活躍を労い、藍大はミオの頭を撫でた。
うっとりした表情で撫でられるミオを見て、舞達が視線で2階からは自分達も戦わせろと訴えて来た。
藍大も舞達が不満を溜めないように2階ではミオだけに戦わせず、舞達に戦ってもらうことを頷いてアピールした。
2階に移動すると、内装は変わらずインプ以外のモンスターが単体で現れた。
それは目なしラプトルとも呼べる見た目であり、灰色の鱗と鋭い牙を備えていた。
「シュリーカーLv50。目がない代わりに耳が良い。鳴き声が煩いせいで同種でも自分以外は敵とみなして群れは作らない。鱗は金属質だってさ」
「藍大、シュリーカーの肉は食べられる?」
「食べられる。ささみみたいな食感らしい」
「よっしゃあ! 収穫の時間だぜぇぇぇ!」
舞が戦闘モードにスイッチが切れ変わり、光を付与したアダマントシールドの投擲だけで仕留めた。
シュリーカーが叫び出す前に舞が倒したため、どれだけシュリーカーの叫び声が煩いのかわからなかった。
金属質の鱗もアダマンタイトでできたアダマントシールドには敵わず、いとも簡単に勝敗が決まった。
「藍大、仕留めたよ~」
「うん、見てたぞ。鮮やかな手際だった」
「でしょ~? 優月は私の戦闘見てた~?」
「寝てた。優月は肝が据わってるらしい」
「そっか~」
戦闘モードのスイッチが切れれば舞はゆるふわな感じに戻る。
普段と戦っている時のギャップが激しいから、優月もそれを目にしたら驚くのではないだろうか。
その後もシュリーカーは単体でしか現れなかった。
だが、2階は1階と異なって派生種ではない別種の
見た目は咥え煙草をしたローブの美人だがその周囲に煙を纏っている。
「ガンコナーLv50。美人に化けてるけど本当は老婆みたいな外見だってさ」
藍大がモンスター図鑑で調べた結果を口にした直後、ガンコナーが憎しみを前面に出して口を開いた。
「憎い。若い女が憎い。幼女も憎い」
「誰が幼女よっ」
「失礼な奴ですっ」
『٩(๑òωó๑)۶ オコダヨ!』
(幼女にジェラってどうすんだよ)
藍大が苦笑する一方で幼女トリオは激怒した。
美人に化けたガンコナー許すまじとそれぞれが攻撃を仕掛けた。
ゴルゴンが炎の矢を、メロは種の弾丸を、ゼルは氷の刃を放った。
どう考えてもオーバーキルである。
HPが尽きたガンコナーは変身が解けてしわしわの老婆に変わり果てた。
ガンコナーを倒した幼女トリオは藍大に詰め寄った。
「マスター、私達は大人のレディーよね?」
「マスター、私達は信じてるですよ」
『(。・∀・。)ニコッ』
幼女とは言わせないというプレッシャーを感じ、本音はどうあれ藍大はゴルゴン達を宥めることを優先した。
「そうだな。幼女じゃないよな」
嘘である。
藍大は彼女達を幼女だと思っている。
3人合わせて幼女トリオというセット呼称まで用意している。
「ニャ? 世間ではゴルゴン達ぐらいの見た目を幼女と呼ぶんじゃないのかニャ?」
(ミオ、お前って奴は・・・)
しまったと藍大が思った時にはもう遅く、ゴルゴンがミオに飛び掛かった。
「シャァァァァァッ」
「足止めは任せるです」
『オシオキジャー!!!ヽ(メ`皿´)ノ』
メロの<
ゴルゴンはミオをポカポカと殴り、ゼルもワンテンポ遅れてポカポカと殴った。
正直、傍からは子供同士の喧嘩にしか見えない。
「悪かったニャ! 謝るからもう止めてほしいニャ!」
「・・・次言ったらタダじゃおかないわっ」
「次は足首を固定するだけじゃ済まないです」
『o(^・x・^)wニャ』
(ゼルが地味に煽ってるんだよなぁ)
そんなことを思いつつ、ゴルゴン達を宥める。
「ほら、喧嘩しない。ゴルゴン達も魔石を食べれば大きくなれるってわかってるだろ? 大きくなる可能性はあるんだから希望はまだあるさ。そうだろ?」
「そうなのよっ」
「魔石食べるです!」
『( 'ω')ŧ‹"ŧ‹"』
藍大に言われてハッとした幼女トリオは魔石を食べて大きくなるという希望を抱いた。
解放されたミオは藍大にジト目を向ける。
「ニャア、もうちょっと早く助けてほしかったニャ」
「ミオが余計なことを言うからだ。自業自得だろ」
「反省してるニャ。だから、次はもうちょっと早く助けてほしいニャ」
「それは反省してないんじゃないか?」
ミオがちゃんと反省しているならば、ゴルゴン達に襲い掛かられるような発言はしないはずである。
助けてほしいと言う時点でまた何か言うことを前提としていると思われても仕方あるまい。
その後、気持ちを切り替えてダンジョン探索に戻った。
シュリーカーとガンコナーを倒して進んでいると、今度は炎のように赤く輝く目を持った黒い靄を纏う野犬が現れた。
「ブルベガーLv55。犬っぽい見た目だけどあれは擬態で霊体を変幻自在に変えられる”掃除屋”だってさ」
『ご主人、あれは僕が倒して良い? 僕もそろそろ戦いたい』
「勿論良いぞ」
『わかった! それっ!』
リルは<
『ミオがLv80になりました』
今日初めてのシステムメッセージが藍大の耳に届いた。
1階から今までの戦闘で積み重ねた経験値でようやくミオがレベルアップできた訳だが、経験値の取得効率はあまり良いとは言えない。
リルを労った後、藍大達はその場に残った魔石だけ回収してボス部屋まで移動した。
ボス部屋にはシャングリラにも現れたインキュバスの姿があった。
「月曜日の
藍大は視界に映るインキュバスLv60と”2階フロアボス”の称号に違和感を覚えた。
「女は全部ひん剥いて丸裸にしてくれる!」
「変態は滅ぶべきなのよっ」
ドカンと爆発音を立ててインキュバスが爆散した。
ゴルゴンの<
『ゼルがLv94になりました』
システムメッセージが藍大の耳に虚しく響いた。
ゴルゴンが褒めてほしそうな顔を向けるので、藍大はその頭を撫でて労った。
「流石はゴルゴン。瞬殺だったな」
「フフン。楽勝なのよっ」
まだまだ時間に余裕があったため、爆散したインキュバスの破片と魔石を回収してから藍大達は3階へと移動した。
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