【Web版】大家さん、従魔士に覚醒したってよ(書籍タイトル:俺のアパートがダンジョンになったので、最強モンスターを従えて楽々攻略 大家さん、従魔士に覚醒したってよ)
第280話 これが痛みというものか。教えてくれた礼をせねばな!
第280話 これが痛みというものか。教えてくれた礼をせねばな!
ベリアルの死体と武器を回収し、藍大が魔石を取り出したらリルがスタンバイしていた。
『ご主人、魔石ちょうだい!』
「よしよし。これはリルのものだ」
『わ~い』
リルが魔石を飲み込んだ直後、リルの毛並みに高貴な雰囲気が加わった。
『リルのアビリティ:<
(リル、遂にワープできるようになったのか)
リルが新たに会得した<
しかも、空を駆けられる効果は消えていないからリルは物理法則に動きを封じられることなく転移できる。
『ご主人、僕がどこにでも運んであげるよ!』
「ありがとな。マジでワープできるようになるなんてすごいぞ」
「クゥ~ン♪」
どんなにすごいアビリティを会得したとしても、リルはやっぱりリルだった。
藍大に褒められて嬉しそうに鳴くリルを見て、一体誰が長距離転移できると思うだろうか。
リルは藍大に撫でてもらって満足した後、壁際の女性像の1つに近づいた。
よく見てみると女性像が掲げているのは松明ではなく宝箱だった。
『ご主人、宝箱見つけた~!』
「むぅ、またしてもバレたか・・・」
ブラドは装飾の一部っぽく置いておけばバレないのではと考えたようだが、リルを騙すにはまだまだ工夫が足りない。
『ブラド、僕の勝ちだよ。今日の晩御飯のリクエスト権は僕のものだからね?』
「吾輩に二言はない。リクエスト権はリルのものだ」
「えっ、そんな取り決めあったの?」
藍大からすればそれは初耳だったので、まさかリルとブラドでそんな話し合いになっていたなんてと驚いた。
もっとも、藍大はリクエストされたらそれを作るつもりなのだが。
宝箱が見つかったとなれば、次はサクラの出番である。
「サクラ先生、LUK∞の力を披露しちゃって下さい」
「私が運命を支配する。私は家族を強くする物を引き当てる」
「サクラ先生マジかっけぇ」
ノリノリなサクラが宝箱を開けてみると、その中には赤い液体の入ったフラスコがあった。
(あれ、なんだかこれに見覚えあるぞ?)
藍大はサクラが取り出したそれをモンスター図鑑で調べてみた。
その結果、アビリティポーション(亜人)であることがわかった。
以前リルがアビリティポーション(獣)を飲んだ時と同様に、亜人型モンスターに飲ませることで会得している任意のアビリティと今最も欲しているアビリティを入れ替える効果があった。
このアイテムを使えるのはここにいるメンバーだとサクラとメロ、ゼルだけだ。
順番的には次はメロの番だったが、メロは今のアビリティに不満がないと首を横に振ったのでゼルが使うことになった。
「ゼル、これをお飲み」
『ヾ(≧∇≦*)/やったー』
ゼルがアビリティポーション(亜人)を飲んだ直後、藍大の耳にシステムメッセージが届いた。
『ゼルのアビリティ:<
(名前からしてハイリスクハイリターンなアビリティが来たぞ)
藍大はモンスター図鑑を見て新たに会得したアビリティについて調べた。
すると、1分間だけHPとMP以外の能力値が2倍になる代わりに効果が切れたら1分間全て半減するという効果だった。
とどめの前準備で使えば強いかもしれないが、連戦の場合には使い勝手が悪いアビリティである。
『イエーイ(∇^*d)(b*^∇)イエーイ』
「ゼルはロマン砲に憧れるタイプだな」
『( ̄∇ ̄)v ドヤッ!』
「ゼルが良いならそれで良いか」
藍大は本人が喜んでいるならばそれで良いと判断し、しっかりと使いこなしてやろうと思いながらゼルの頭を撫でた。
ゼルの強化が終わればこの広間に用はないから、藍大達は宝箱を回収してから先へと進んだ。
ネメアズライオンとペンドラを倒すこと数回、藍大達の目の前にはボス部屋の扉があった。
「ここが最後か」
「その通りだ。この部屋にいるのは主君が予想してるモンスターで間違いない。気を引き締めて臨むのだ」
「仕掛けたブラドがそー言うんだから気をつけないとな」
”ダンジョンマスター”が気をつけろと言うぐらいなのだから、ボス部屋のモンスターはそれだけ強力なのだろう。
そう判断してサクラが<
その瞬間、部屋の中の入口部分が爆発した。
もしも生身の手で扉を開けていたならば、バラバラの肉片になるぐらいには高火力だった。
爆炎の向こう側から何かが光って見えたため、藍大はゼルに命じた。
「ゼル、俺達を守れ!」
『(O´∀`K)b』
ゼルが<
あと少しでも藍大の判断が遅ければ、攻撃が直撃していたのは間違いなかった。
ゼルが”ダンジョンの天敵”を保持していたからこそどうにかなったが、レーザーを弾き返すのと同時に<
爆炎が晴れて視界が開けると、謁見の間とも呼べる部屋の奥にある玉座にふんぞり返る偉そうな王様の姿があった。
その王様には3対6枚の翼が背中から生えており、上の2枚と真ん中の2枚、下の2枚はそれぞれ白と灰色、黒とグラデーションになっていた。
「チッ、仕留め損ねたか。あれで死なないとは面倒な奴等が来たものだ」
「生憎あの程度の攻撃でやられる程やわじゃないんでね」
「そうか。死ね」
「お前が死ね」
深淵のレーザー同士がぶつかり、サクラが撃ち出したそれが威力で勝って王様の肩を貫いた。
「ぐっ!?」
敵が痛がっている間に藍大はモンスター図鑑でその正体の予想が合っているか答え合わせした。
-----------------------------------------
名前:なし 種族:ルシファー
性別:雄 Lv:100
-----------------------------------------
HP:2,000/3,000
MP:2,400/3,000
STR:3,000
VIT:3,000
DEX:3,000
AGI:3,000
INT:3,000
LUK:3,000
-----------------------------------------
称号:地下10階フロアボス
傲慢の王
到達者
歩く魔法書
アビリティ:<
<
<
装備:夜明けの王衣
備考:不快
-----------------------------------------
(そりゃルシファーだよなぁ)
残り1つだった大罪を背負うルシファーがフロアボスだということに藍大は全く驚かなかった。
ブラドは変なところで律儀なところがあるから、新しく増やした階層で七つの大罪に関わるモンスターが出て来ないはずがない。
藍大はそう確信していたが、実際その通りだった。
厄介なのはルシファーがLv100であり、遠近両方の戦闘に対応可能でバランスが良い能力値ということだろう。
それでもサクラの攻撃が効いているあたり、藍大達にはまだまだ余裕があるのは間違いない。
「これが痛みというものか。教えてくれた礼をせねばな!」
ルシファーがそう言った瞬間、波状に広がる紫色の雷が藍大達を襲った。
「甘い!」
ブラドは<
しかし、ルシファーは休むことなく<
「ゴルゴン、爆破! メロ、準備!」
「はいなっ」
「はいです!」
ゴルゴンが<
ルシファーは<
ところが、ルシファーは藍大に触れる前に動きを止められた。
メロの<
ただし、<
「リル、合わせろ!」
『わかった!』
藍大がゲンの力を借りて<
「サクラ、後は頼む!」
「大丈夫!」
ルシファーが怒りに狂ってダメージ覚悟でツッコんで来たが、サクラの深淵のレーザーがその腹部を貫いてルシファーはドサッと音を立てて倒れた。
『ブラドがLv91になりました』
『ブラドがLv92になりました』
『ゼルがLv89になりました』
『ゼルがLv90になりました』
『ゼルのアビリティ:<
『ゼルが称号”傲慢の女王”を会得しました』
『ゼルがアビリティ:<
『おめでとうございます。逢魔藍大のクランが七つの大罪をコンプリートしました』
『コンプリート特典としてシャングリラがモンスターから襲われなくなります』
(なんですと?)
最後の最後でシステムメッセージが爆弾を置いていった。
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