同窓会

勝利だギューちゃん

第1話

同窓会。


学生時代のクラスメイトが、集まる。

定番のイベント。


卒業後すぐの数年は、よく行われるが、だんだんとそれぞれの生活が忙しくなる。

そして、ちりぢりになり、とてもそんな余裕はなくなる。

なんだかんだで、それぞれの生活が大切になる。


ちなみに担任だった教師は、今は塀の中で生活している。

(「いつか、絶対に何かやらかすと思っていました」と、マスコミの取材がきたら証言してやりたい)


全く興味がないので、欠席に〇をして投函した。


しかし・・・


「来てくれないの?」

幹事である女子から、電話が来た。

「ああ」

「どうして?みんな会いたがってるよ」

「俺は、会いたくない」

「どうして?」

「言わせる気か?」


僕はクラスで浮いていた。

今更、このような誘いは迷惑でしかない。


「〇〇くんは、結婚してるの?」

「してない」

「×はついてる?」

「ついてない」


そうだな・・・

他の連中は、高校生くらいの子供はいるよな。


「ねえ、来てよ」

「なぜ今になって誘う?」

「〇〇くんの話がききたいから」

何の話だ?


根負けした僕は、参加することにした。


しかし、予想通り。

最初に話をしただけで、後は放置されている。


まあ、それでいいのだが・・・


で、「今、何してる?」って、訊いてこないよな?

これを、訊かれるのがまずい。

もし、訊かれたら偽名で活動している意味がない。


ニートといって、ごまかしておこう。

フリーターでもいいな。


嘲笑されるだろうが、素性がばれるよりはましだ。


そろそろ帰ろう・・・


そう思っていた時に、幹事の女子がマイクを持ち、話し出した。


「今日は、特別ゲストを呼んでおります。

あの作家の、柳本治郎さんです。」


場内がざわつく。


「その柳本治郎さんは、私たちの大切な友達です。

では、柳本治郎先生こと、楠勝昭くん、こちらへ」


なぜ。ばれてた?






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

同窓会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る