第6話 新たな仲間
一連の騒動が終わり、止まっていた人々は再び歩き出した。
俺は、アレクの後ろ姿を睨んでいた。
「リョウ様、何故危険な真似をしたのですか!?」
シュルラが俺に近付き、心配したような声音で言った。
「一か八かデカい賭けに出たんだ。でも払えなくて見苦しい姿を見せてしまった」
「良いのですよ。リョウ様の助けたいという気持ち、伝わりましたから」
シュルラは、心から喜んで俺に向かって笑顔を見せる。
そんなシュルラを見て、俺は改めて羞恥の気持ちになる。
「これは、助けたんじゃない。買い取ったんだ」
「ふふっ、リョウ様らしい考え方ですね」
昔の俺なら、助けたいという気持ち、分からなかったが……。
「……あ、あの……あなたが……新しいご主人様?……」
奴隷の少女が言った。
「あぁ、今から俺が主人だ」
この娘、想像以上に怯えている。
怖いんだな。
まるで、あの時助けたシュルラのように。
そう思いながら俺は、奴隷の少女に優しく自己紹介をする。
「俺は、半崎 亮。こいつはシュルラだ。よろしくな。それでお前の名前は?」
「……名前……ない……」
「リョウ様、奴隷は奴隷主自ら名前を付けるものですよ」
そうなのか。
にしても、名前か……。
悩んでいると、ある名前を思い付く。
「じゃあ、サラサって名はどうだ?」
「サラサ……ですか?良い名前ですね」
「……わたし、サラサ……」
パァと顔が輝き
「……いい名前……!!」
どうやら喜んでくれたようだ。
それにしても、何故『サラサ』という名前が思い付いたのか……。
「……サラサ……サラサ……!」
しかもこんなに気に入って貰えるとはな。
「じゃあ、よろしくな。サラサ」
「よろしくお願いします。サラサちゃん」
「……うん……!!」
これで俺とシュルラに、奴隷の少女・サラサが仲間に加わり、新たな冒険の1ページとなった。
そして俺達3人は、ギルドへ行く事に。
アサシンズブレード 殺し屋の聖剣 結木 夕日 @yuuhi_yuuhi17170
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