第5話 閉じ込め
観覧車の中、閉じ込められた二人。
あれから結構長い時間が流れたような気がする。
「ーーいつまでここにいないといけないんだろうね?」
ずいぶんと長く閉じ込められている様な気がしたが、時計を見るとさほど時間は経過していないようだ。
「先輩、こんな状態でなんですけど、、」
こんな状況なのに恥ずかしさを隠す様に言った。
「ん?どーした?」
「ーーあの時の答え、言っていいですか?」
緊張した面持ちで、中山先輩は私を見た。
真っ直ぐにーー1秒足りとも目を反らす事なく。
「先輩の気持ち、嬉しかったです。これからもよろしくお願いします」
「ーーそ、それって??」
「はい。私の方こそお付き合いしてください」
周りを見渡すと、遊具が止まっているだけで、大勢の客たちは大騒ぎをしている。だが、私たちだけは幸せな気分だった。
観覧車の中で閉じ込められる事なんて滅多にないが、今日ここに来て良かったと思う。
ーーまだもう少し、先輩の側にいたいから。
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