第6話 園内アナウンス
「先ほど起きた地震が原因で、現在すべての遊具が運転が出来ない状況です。お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、復旧までしばらくお待ちください」
先程までのパニック状態から、私は解放されたようだ。
心なしか恐怖も薄らいだ様に思える。
観覧車がゆっくりと停車してから二時間くらいが経過している。
しかし、救助隊は到着して静かに救助活動が行われ始めた。
ーーもー時期助かる。
その思いが二人を安心させた。
「繰り返しお伝えします。現在、地震の影響で、すべての遊具が止まっておりますが、現在、救助隊が到着し、救助活動が行われていますので、しばしお待ちください」
園内アナウンスは繰り返し、現在の状況を伝えた。
ーーもうすぐ助かる。
そう思いながら、二人は眠ってしまった。
あれからどれくらい眠っていたのだろうか?
「おい、大丈夫か?」
何度となく呼び掛けられていたのだろうか?
ようやく私たちは目を覚ました。
「もう大丈夫だからな!」
救助隊に抱えられ、私の体は観覧車からゆっくりと下ろされていく。
中山先輩の体もそうして下ろされていった。
地面に足が着く。
当然の事なのにホッとした。
しかし、周りは大騒ぎだ。
吐き気を訴えている者、頭痛を訴えて倒れる者ーーそう言った体調不良を訴えている者たちを手当てするべく、数十台の救急車が到着している。
周りはまるで地獄だった、、。
遊園地という楽しい空間が、こんな風に地獄絵図になるなんて、誰が想像しただろうか?
中山先輩と二人で手をつないだまま、私たちはそれを眺めていた。
あり得ないこの光景をーー。
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