第4話 デート

「それじゃ行こっか」


二人で手を繋いで家を出た。

目的地は近くの遊園地だ。

これまでも友人たちとよく来た遊園地ーーここであの日の返事をしようと思っている。


「とりあえず遊ぼう」


返事をしなきゃ、しなきゃと考えていると、変に緊張してしまう。

だが、遊びなら少しは緊張も解れるだろう。


二人はまず観覧車に乗る事にした。


「観覧車なんて久しぶりだな」


「うん」


それがゆっくりと頂上へと到着した時、突然、観覧車が止まった。


園内アナウンスが流れる。


「お客様にお知らせします。現在、地震が発生した影響で、すべての遊具が停止しております。しばらくお待ちください」


数分後。同じアナウンスが再び流れた。


ーーこんな時に地震だなんてついてない。


「ーー大丈夫。俺がついてる」

大林先輩が、私の肩に手を乗せてくれている。


安心する。

だけど、ここに閉じ込めれる状態はいつまで続くのだろうか?

突如、襲ってきた地震。


ーーこのまま観覧車ごと、落ちたらどうしよう?


そんな事を考えてしまい、私には恐怖しか感じられなかった。

しかし、一人じゃない事がわずかな安心感を与えた。

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