第3話

中山先輩からの告白。

迷う事はなかったはずーー今度はいつ誘おう。


とにかく学校で、約束を取り付けなくてはーー。

そう考えるだけで身体中に緊張が走る。


玄関のドアを開け、外に出る。


「行ってきまーす」


もう、母も父も仕事に出掛けていて、誰もいないのに。

その声は、寂しげに宙を舞った。


学校への道のりは、わずか五分程度。

一本道だから、方向音痴な私でも迷わずに行ける。


途中で、声をかけられた。


「大林、おはよー」


振り返ると、そこには中山先輩がいた。

緊張で裏返った声で、喉の奥から絞り出すような声で、私は言った。


「おはよーございます。先輩、あの、、今度の日曜、空いてますか?」


「あぁ、空いてるよ!」


「それじゃ、前のお返事したいので、夕方、待ち合わせませんか?」


一瞬だけ、先輩の顔に緊張が走った。


「あぁ、わかった」


二人で日時と場所を決めながら、学校へと向かう。


今週日曜午後4時。

彼が家まで迎えに来てくれる事になった。

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