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7:00
目を覚ましてまた分泌が上手くいかなかった涙を拭いて、少し重く感じる胸を見るとカエデさんがいつも通り俺を枕にしていた。
夏「おはよ…。」
部屋が乾燥してたのか、少し声が掠れる。
俺は胸の上にあるカエデさんの頭を撫でながら髪の毛に付いていたホコリを取る。
カエデ「あ、おはよう。お茶飲む?」
カエデさんが俺のためにテーブルにあるお茶を取ろうとしたので俺は肩を引いて止め、そのままカエデさんの頭を胸に乗せて撫でる。
夏「もうちょっとこうしてたいです。」
カエデ「…うん。」
一度起き上がっちゃうとこの雰囲気は壊れてしまう。
まだ寝起きで体を動かす気分になれないから、もう少しだけこうしててもらおう。
俺は目を瞑って視界だけ休める。
今日は土曜日だから稼ぎどき。
カエデさんとはお昼前にお別れするからまずは家に帰って布団を干そう。
3時間だけしかいえにいれないけど、軽く部屋の片付けしよう。
俺はこの後の予定を頭で組み立てていると、カエデさんの顔がこちらに向くので目を合わせる。
カエデ「昨日、汗かいたままだから温泉入りたいね。」
夏「そうですね。もう行きますか?」
カエデ「うーん…。」
俺はカエデさんの少しパサついた髪の毛をそっといじり、回答を待つ。
このパーマ可愛いな。
俺もパーマかけたくなってきちゃったなと考えながら、俺は答えを出す。
夏「俺はもう少しカエデさんとゆっくりしてたいです。」
カエデ「私も。」
渋るってことはそう言うこと。
何かつっかえてるからお風呂に行く一歩が出ないだけ。
夏「嬉しい。」
俺はカエデさんの体を包んで横を向き、カエデさんのつむじ越しに窓の外を見る。
今日は良い天気だな。
こんなに良い天気なら露天風呂に何時間だって入りたいけど、そんなこと出来ない。
仕事でここに連れてきてもらってるから、わがままは言えない。
俺とカエデさんは1時間ほどのんびりと過ごして、温泉に向かうと同じく朝風呂目当ての数人の女性が向こうからやってきた。
すると、カエデさんの手が少し強張る。
カエデさんは人が苦手なのを克服するために毎回俺を買ってくれている。
半年前はしどろもどろ過ぎて何を話してるか聞き取るのに苦労したけど、今では俺を信用してくれてるのかスムーズに話してくれるようになった。
夏「あ!あそこに泥パック置いてある。見に行っても良いですか?」
カエデ「うん。」
俺はその廊下から外れ、湯上り後の休憩所に入ってそんなに興味無い泥パックをカエデさんと一緒に選ぶ。
2人で選び終わる頃には女性たちはのれんをくぐって脱衣所に入っていった。
カエデ「優くんって美容興味あるの?」
カエデさんは俺の行動を不思議に思ったのか、そう聞いてきた。
夏「ハンドクリームはこだわってますね。」
カエデ「だからいつも綺麗なんだね。」
カエデさんは落ち着きを取り戻したのか笑顔を取り戻してくれた。
俺は頷き、笑顔を返す。
良かった。
けど、カエデさんはあまり人がいない温泉が好きだと前に言っていた。
俺は腹に力を入れて音を鳴らす。
夏「…ごめんなさい。ちょっと我慢してたんですけどお腹空いちゃって…。」
カエデ「大丈夫!食べた後にもう一回来よう。」
俺はカエデさんと一緒に朝ビュッフェが開かれてる大広間に向かう。
食べ終わった後は大半の人がチェックアウトの準備をするはずだからカエデさんがゆっくり温泉を楽しめるはず。
俺はカエデさんの1ヶ月にあるかないかの楽しみを作るべく、出来るだけのことをし続けていく。
→Wake Up Sunday Morning
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