新最終章 真実を受け止める度胸

 そこには、黒服の謎の人物が、立っていた。天月の顔を見た事があるので、恐らくは天月では、ないのだろう。その男、既に戦闘の体勢を整えている。男が、眷属を召喚した瞬間と同時に、その眷属は消え去った。例えたり誇張したりしていない。むしろ、召喚した事が分からないぐらい早く消え去ったのだ。御咲の後ろには、一人突っ立っていたその人の顔を見た時に天月の顔と似ていたが、研究所であった時とは、違う凄まじいオーラが、彼を包んでいた。既に彼も戦闘よ体制を整えていた。あのオーラは、死霊系の魔法に属される死者のデスミストだろう。そして、眷属に即死の鉄審判デスメタルジャッジメント発動したのだろう。死霊系の魔法特性を持つものは、早々居ないだからだろう。黒服の男は、「こんなに手っ取り早くおびき出せるなんて。まったく君は、いい餌だよ」と御咲を見ながら言い放った。黒服の男の目的は、天月をおびき出すことだったらしいが、その為の格好の餌に私はされていたようだ。気づかない内に、これ以上に不名誉な称号をもらったことは、ないだろう。不本意ではあるが今だけ、天月と手を組むことにした、仕方がないので後で、天月をみっちり締め上げて私の情報を洗いざらい話させようと思いながら、魔法の準備をとる、御咲は左手に魔法妨害、右手に超速電射の魔力を込める。睨みあったまま誰も動かない。御咲の背後に、眷属を召喚して強襲しようとした途端に空気のように天月が消す。御咲は、深呼吸をした後、男に狙いを定める単純な一筋の雷を放つしかし、男は後ろに下がり軽々と避ける。この男とは、経験や実践なども御咲の方が劣っていた。それよりも問題だったのは、単に魔力量の違いだった。男は、全方向に眷属を召喚し、全方位からバーニングボールを放つ。すかさず、御咲は、天に見離されし万物を発動させて、バーニングボールを無効化に成功する。その後に天月の先程の魔法で眷属を消し飛ばす。どうやら天月も余裕は、ないようだ。それならと思い、私は、私にある魔法を込めるその上から攻撃集中初級魔法、バフデロイを発動する。男は、先程と同じように、全方向に眷属を召喚して、バーニングボールを放ってくる。当然のように、全ての魔法が自分に直撃する。その間に、眷属を消し。近接武器を召喚する闇の剣ダークマターを発動し、周りの物体(正確に言えば次元)を巻き込みながら、男に攻撃を仕掛ける。しかし、男は軽々と避けている。天月は、一度も当たっていないのに、笑みを浮かべると初級空間移動魔法、《ワープ》を使い近くの瓦礫の山を御咲の前に移動させる。御咲自身にかけた魔法、中世魔法の魔力変換マジックチェンジを発動する。元ネタは、中世ヨーロッパ時代の錬金術だ。受けた魔法の魔力を自分の魔力に加算する。現代では、使う事はまずない。瓦礫の山が、落ちて来た時、御咲は電気を通す物体だけを浮かせたまま、四角い形に変えていく。さらに、一つ一つを手のひらに乗るほど小さく分けた。準備は、完了した。御咲は、天月の闇の剣と天月自身の体の隙間を狙い、超速電射をいくつも発動していく。あまりのスピードと空気を切る音、それから爆発的な威力に、天月も流石に身をひるがえし男から距離をとる男の周りには、死者の霧を発動させた。これであの男には、逃げ場はない。男は、何も言わずに何も動かずに超速電射を受け続けている。しかし、幾ら攻撃しても男は、そのまま立ち続けている。男は、最終防御ゾンビキャッスルを発動させていた。これは、この魔力以上の攻撃を当てなければならない。のだ、今の御咲と天月には、そんな魔力が、残っていないだろう。「魔力量だけが魔法を支えているのではない。むしろ、力が魔力を生む力だ」と天月は、話した。御咲は、「聞いたことがある魔力は、力を可視化させただけにすぎないという説があるということを」そこで、御咲は天月を信用して全てを賭けてみることにした。天月が、コインを私に投げる。受け取った御咲は、コインに超速電射の上位互換の超速雷砲エレクトロスマッシュの魔力を込めるとそのコインを天月に向けて放つ天月は、例の如くワープを使い上手く、御咲の手元に戻るようにコインを移動させていく。帰ってきたコインを御咲は、もう一度天月に拳で超速雷砲を放つということを繰り返した後コインが融点に達して、溶けだしたということもあり、このコインを男に向かって放射した。「これが今の全力だっっっあああ!」という掛け声と共に合技である超空移速電雷放射砲テレポートレザースマッシュガトリングが男の不死のゾンビキャッスルの周りを縦横無尽に飛びながら空間ごと切り裂いていく。男のゾンビキャッスルは、崩壊寸前になった。このままでは、危ないと判断したのか、男は、不死の城を自ら無力化した。男は、周りが何も見えなくなった瞬間、腹部に激痛が走った。御咲と天月の合技が、見事に命中していた。男は、すぐさま身をひるがえそうとする。しかし今度は、右肩に命中する。男は、その場で倒れる。つきかけている魔力で、発光魔法フラッシュを発動させて、なおかつ《ワープ》を使い逃げた。撃退をさせることには、なんとか成功したようだ。

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