第4章 追憶の魔術学生

 あの手紙の送り主を探す上で、まずその道のプロに頼むことが一番良いと考えた。人を探すプロでなおかつ、学生地区の陰に通じる者あらゆるコネというコネを使い、接触を試みている。通称コネ作戦だ。それでも、中々接触することが出来ないでいた。それもそのはず、本来学生地区の陰と呼ばれている者は、あまり外部からの接触はしない。それも、一種の防衛本能と言えなくもない。それに加えて、学生地区の陰でありながら、人を探すプロ、探偵をやっている者は少ないのだ。果たして本当にそんな人は、いるのだろうか?居たとしても、探すのに苦労する。コネだけに頼っていても、仕方のないことなので、コネと並行して、足で人を探すやり方で探すことにした。

 学生地区は、4つの学区に分けられている。学生地区の中枢機関の密集地の第1学区、私達が住んでいる比較的に平穏で安全な第2学区派手なショップなど商業施設が盛んな第3学区、学生ギャングなどが沢山いる最も平穏とは無縁の第4学区である。そんな中、珍しく第2学区と第3学区の境界線で、検問を行っていた。普通、検問がある時は、自分の住んでいる学区外には、出ては行けないのだった。苦肉にも、この日の捜索を中止せざるを得なかった。この日の夜のことだった。御咲は、一人で考えていた「一体何故学生地区の陰を探しているのか?」冷静に考えると、場合によっては、そんなことをしなくても手っ取り早く見つかるかもしれないのだ。まだ、手紙の調査結果が判明しない時点で、勝手に私達が送り主を学生地区の陰と決め付けていたのかもしれない。もし、学生地区の陰が、送り主ではないとしたら、それは、今まで学生地区の陰に、固執していた時間の分の無駄が生じるのか?しかし、そんな状況を凪が考えていない訳がないと思っていたのだ。まさか本当に、凪は、考えていなかった。気がつかない内に、自分だけでなくみんな、学生地区の陰の人が、送り主と思っていたのだ。緊急で研究所から電話が、かかって来た。なんでも、手紙の調査が、終わったらしい。放課後に研究所に、話しを聞きに行くことにした。研究員は、手紙のことを調査したが、特に特徴もなく、普通の手紙だと言うことだった。学生地区の最新科学技術や最新鋭の魔法技術を使って、調べたが何ひとつ手がかりになりそうな物は、見つからなかったそうだ。

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