第3章 真実の甘い果実は、程遠い
一週間以上の研究所での検査が始まるので、その分の着替えを持って行くことにした。少し前に、太陽が照りつける中、私の学生寮の前に1台の車が止まっているのに気づいた。凪が気を利かせて車で送ってくれるようだ。研究所に着くなり、自分の思い出せる過去のことについてのアンケートをA4の用紙十枚分の用紙に裏表びっしりと書かれていた。それに、答えた後に身体検査に入った、オンライン授業を空いている時間にできたたので、白州先生からは、最初に言っていた期間を半分くらいに出来るらしい。ここは、白州先生に感謝しておこう。幾つか辛いことがあると覚悟していたが、凪や藍華が度々、様子を見にきてくれた。この研究所では、神経や脳外科以外にも、魔法特性の検査も行っているらしい。なのでついでにと、魔法特性検査を行ってもらうことにした。魔法特性とは、その人が生まれ持っている属性や系統の魔法が、魔法特性を持たない者と比べて、比較的、使用しやすいものである。しかし、この学生地区にいるほとんどの学生達は、持っていることが多いので
あの研究所での検査が終ってから約1ヶ月経っていた。研究所から、検査結果を告げられた「魔法で記憶を消された可能性が高い」と研究者から言われた。つまりは、何者かに記憶を喪失させられたのだと言うことだ。始まりのあの手紙からの送り主を探さなくては、自分の過去にたどり着けないみたいだ。ついでに、この研究所にこの手紙の鑑定をしてもらうことにした。これで、身元がわかるといいのだが、しばらく時間は、かかるらしい。その間に私と凪、それに藍華の3人で、あの手紙の送り主を調べる事にした。それが、あの手紙から垣間見えていた送り主の意思だったからだ。
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