第2章 友価(友達の対価)

 「いいですかい?」と白州先生は、授業を続けるのだが、今朝のことが気になるし、変な称号を貰って精神的に大ダメージを受けて授業どころではなかった。そのせいで御咲は、一日中情緒不安定気味になっていた。「私の過去」について学校の帰りに1人悩んでいた。今の生活は、記憶を無くした時から1から積み上げたもの。だが、自分の記憶を無くした以前の記憶を知ってしまうと、今の生活を続けることが出来なくなってしまうのではないか。ならば前の自分を知らない方が良いのではないか。そんな事を考えて否定し、その考えを否定をしている。そんなことを繰り返し考えている。今、思うと人生の岐路とは、こういうことを言うのだと思う。そんな中、あの手紙を見た日から3日経ってのことだった。「どうしたの?最近変だよベイビーステイ」と話しかけてきたのは、目鼻立ちがしっかりしていて、少しボーイッシュな感じのクラスメイト魚住藍華うおずみあいかが悪戯っぽく話しかけてきた。それにつられたかのように、身長120センチメートルくらいの長身で、清楚系の女子の代表格と学校では、呼び声の高い色々とハイスペックなクラスメイトのお嬢様である風月凪かざつきなぎが「その呼び方やめてあげなよ!でも、なんか悩み事かな勿論あるなら聞くよ」と話しかけてきた。ここで打ち明けてもいいものなのだろうか。本当は、話さない方が良いのではないか。御咲は、葛藤の末に、全てを話すことにした。それも、御咲が思い出せる記憶の初めから現在までそれに加えて、あの夢のことについても話してみた。それも、静かに聞いてくれている。とここで藍華が、「学生地区の中にある病院保健室に行った?」と発言をした。御咲は言われてみると、御咲は、これまでに病院に行ったことがない。それならと凪が、近くにある精神・頭脳系の魔法研究所に行くことを勧めた。凪がそこに行く人脈があるみたいだ。「・・・と言うことで白州先生、少しの間近くにある研究所で検査をしてきますので少しの間学校を休みます。」あの後、凪には、その手配をお願いして、白州先生に、今回の経緯を大体わかる程度に説明した。すると以外にも「一週間は、免除しますがその後は、免除出来ないかもしれないので、最低3日間は、先生とずっと一緒の補習生活を覚悟してなーがい。」3日前までの白州先生からしたら、大変慈悲深いお言葉なのだ、そのくらい貴重なのだが、3日間の補習生活は既に決定事項みたいだった。白州先生は、そんな現実を忘れさせるかのように、楽しんでくださいと言わんばかりの笑みを浮かべてこちらをみる。正直言って、その眼差しは、「不幸」の兆しが見えているようだった。また、「最悪だ」と御咲は、今日も嘆いた。

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