第3話  運命?

その日私はずっと楽しみにしていたコンサート やっと手に入れたチケット

準備も念入りに

何を着ていこう 髪型チェック リップの色

まぁどんなに頑張ったって見てもらえるわけではないのだけど 

そこは乙女の気持ち 100分の一にかけるのです。 

時間ギリギリに準備完了。

友達とは会場で待ち合わせ。

急がないと間に合わない。

慌てて玄関を出ようとすると

「桃 電話だよ」

母が邪魔をする。

「時間ないんだけど だれ?」

「彼氏だわ」

「彼氏なんていないよ 今急がしいから後でかけるって言っといて」

そう叫ぶように言い会場を目指して猛ダッシュ。

ブッブー

クラクションがうるさい

邪魔って事? 

振り返ると弟がバイクで追ってくる

ラッキー!

乗せてもらおう

思ったのに

喜んだのに

「姉ちゃん お客さん 姉ちゃん連れて来いって」

「はー? 無理 今日はダメ お客さんって誰?」

「姉ちゃんの彼氏」

「彼氏じゃない 用事があって行けませんって言っといて」

「ダメだよ その人のお母さんもきてるから」

「何で?」

「知らん とにかく連れて来いっていうから

早く乗って 早く話し終われば オレ送っててやるし」

「えー 始まっちゃうやん でも仕方ないか

分かった」

とりあえず早めに切り上げよう。

そう思い弟のバイクに跨った。

この判断が悪かった。

俗に言う「運命」ってヤツ

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