第4話 岐路

家には彼とお母様がならんで座っていた。

「ただいま」

「桃 お話しあるみたいだぞ」

「何でしょう?」

「桃さん、茂の事遊びやったの?」

「え? どう言う意味ですか?」

「茂は誠実な息子です。 お付き合いしておきながら結婚するつもりないとは

あなた茂とは遊びで付き合ってたって事?」

「は? 付き合うもなにも」

「ご自分のご両親の前ではっきりしたらどうですか!」

すごい剣幕 に 圧倒された。

彼は黙ってる。

「遊びなんて お友達だと思っています。」

「お友達?都合のいい言い訳しないでくださいな。貴方も良い年でしょう 茂はお付き合いしてるって思ってたのよ それをお友達だなんて遊びと思われても仕方ないんじゃないの?違うと言い切るのなら結婚すべきじゃないの?」

修羅場か?

なんで?

どうしてそうなるの?

おかしくない? 

だってお付き合いって言うほどの事はないもの。ご飯食べて 町を歩いただけ。

今冷静になれば誰が聞いてもおかし言って思うはず。

だけど

この時も意味不明な責任感とか、お母様の訴える姿に負けてしまったのよね。

そのまま とんとん拍子に話しが進み

今こうして寿司屋の女将をやってるってわけ。

お酒も嫌い 酔っ払いはもっと嫌い

料理も嫌い 旦那もそれほど好きではない

こんなんで幸せになれるのか?

何より

思い残すのは 楽しみにしていたコンサートに行けなかったこと。せっかく手に入れたチケットなのに ただの紙切れになってしまった。

あ〜あ

悔しい!

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