第51話 トレーナーは突然勝負を仕掛けてくるから気をつけろ
もう20分は歩いただろうか。
地下に降りるとそこは細長い道がまっすぐと緩やかな傾斜で繋がっていた。
瑛人は影に隠れている。
俺は1人だった。
細い道の奥からは光が漏れており、広い空間がそこにあるのがわかった。
光が近づくにつれて俺の緊張と恐怖が高まる。
敵はネフロントを襲った爆弾魔。俺はなすすべもなくやられている。
勝てる気はしない。俺ができることは相手の油断を誘い、オールダウナーを使用して弱体化させること。
トルファの話では爆弾魔はファーストレンジだそうだ。ファーストの奴らはドレスは使えないから俺が少し有利か…。
溢れる光の中に入るとそこには祭壇があった。
祭壇の前には王座があり、そこに足を組んで座っている奴がいた。
「武蔵達はしくじったか…。」
男はそう口ずさむとゆっくりと立ち上がった…
トルファの話ではこの男はダンと言う奴で、能力は爆風不用意に能力を使われると近距離タイプの俺には分が悪い。
「お前。ダンって言うんだろ?トルファって女から聞いたよ。」
俺は相手に出来るだけ近づけるように交渉を始めた。
「トルファは俺の仲間が捕虜としているんだ。お前達、星読みの目的も何もかもあいつから聞いたんだ。」
ダンは一瞬俺の方を見たが話すことはないと言わんばかりに腕を俺の方に向けた。
「シシウリは復活しないぞ?」
嘘である。爆風がどの程度の威力かは知らないが、怪我をするのは回避したい。適当なブラフを言って少しでも近づくんだ。
「…シシウリが何故復活しないとはどう言うことだ?」
乗ってきた。
「お前なら俺の言っている意味がわかると思うがな。」
俺は意味深に笑みを浮かべ言ってみた
「……。だりぃーな。壊すか…。」
一瞬沈黙があったかと思うと、聞こえてはいけない言葉が聞こえた。
この人“壊す”って言った。やばい。殺される。
「3秒以内に言え。ブラフなら殺す。言わなければ、四肢を引きちぎり自ら言いたくなるような身体にしてやるよ。」
目が座ってるダンを見るとブラハとは言いずらい。なので嫌だが戦闘になるしかないのだ…
「かかってこい。殺してやるよ。」
頭の中で、バトルBGMが流れ始めた。
『爆弾魔のダンが勝負を仕掛けてきた…』
俺は勢いだけは定評があるのだ。
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