第46話 捕虜に自由はない
「おい!起きろ!起きろ!」
俺はそう言ってトルファの顔を二度、三度、軽く叩いた。
「っん…」
何が起こっているのか理解できていないのか彼女は周囲を確認し、縛られている自分の状況からすべてを把握したようだった。
「っん…フッフッフ。…この私が君達ごときに倒されるとは思ってなかったよ。今日のところは素直に降伏しよう。」
なぜか彼女は偉そうだった。
「プシュポーン!こいつなんかムカつくのだよ!このまま、その辺の魔獣の餌にするのだよ‼︎」
何物騒なこと言ってるんだ…。
可哀想だからやめてあげなさい。
「…フッフッフ。…ま、魔獣なんて、こ、この辺にいないと思うんだが、ほ、放置されるなら好都合だな。」
トルファの動揺は隠しきれてない。
女の子にしてはかなり鍛えてたみたいですけど、頭は鍛えてないみたいで、基本アホな子のようだ。
「刹那くんより強くても、
容赦なく傷つける先輩を俺は少し嫌いになった。
「でもどうするのだよ?こいつここに放置して行くより人質にして侍ともう1人の奴から身を守るべきなのだよ。」
先輩の言うことも一理あるのだが…
「そもそもなんで俺たちを襲ったんだよ?」
俺は簡単には口を割らないとは思ったのだがトルファに尋ねた。
「フッフッフ。異世界の人よ。君たちの制服はネフロントに住み着く害虫こと、魔獣討伐連盟という組織だろう?」
どうやら、俺たちの組織のことを知っているようだ。
「私を捕まえたご褒美だ。教えてやろう。我々は
侵略?ライラ?
俺は疑問しかなかった?
「ライラっていうのはこの異世界の星の名前なのだよ。」
キャリアだけはある先輩はマトウの基本知識は俺よりはあるのだ。
「君たちに我々の計画がバレる前に始末する予定だったが、実に残念だ。こんな簡単に囚われてしまうとはな。」
侵略者だとか、守るだとか、どうやら異世界の住人の中にはマトウをよく思ってない人達がいるようだった。
「さぁ。どうする?残忍な異世界人。捕虜がどういう運命を辿るか、わからないわけじゃないが、どうだ?私を見逃してくれないか?」
見逃すも何も、マトウを狙っている奴らを見逃すなんて流石にできない気がする。
「計画ってなんのことなのだよ?それを言わないと判断できないのだよ」
杏先輩はさすがキャリアがあるのかこう言う時にはまともなことが言えるようだ。
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