第37話 [番外編1] 守るとは戦うこと。
そしてそこには、負傷した5mほどの巨大のオーガがいた。
「賭けではあったぞ。おかげでこの有様だ。」
そう言ったオーガの右腕は肩からなく、自慢の刀も失っていた。
「ワシの能力はオーガスレイヤー。これまで戦ったオーガを取り込み、オーガのになることができる。今のワシはどんなオーガキングより強いぞ。だがこの程度の傷10分もすれば塞がる。ぉおおおお」
雄叫びと共に地面が揺れる。
周囲の獣は逃げ、瑛人だけがそこに立ち震えていた。
「ざーまーねぇな。けど、今のうちに逃げないと。あんなデカブツ勝てるわけがねねぇ。」
斬られた刀傷を抑えながら必死に逃げるがオーガの方が遥かには足は早かった。
「待たぬか。さっきの女もそうだが、貴様ら異人は逃げ隠れしかできぬのか。お前が逃げてもワシは今後あの女を追うぞ。匂いは覚えたからな。めんこい女だ。次見つけた時は殺すのではなく、貴様の前で犯してやろう。貴様が生きていればだがな。」
瑛人は気がついた。いくら組織が強いといえ、志麻一人を本気でコイツが狙えば簡単に志麻は殺されてしまう。それだけはできない。大好きな志麻が死ぬようなことがあってはならない。
「落ち着け。デカブツお前は俺が殺してやる。」
オーガの右腕がゆっくりと、だが着実に腕の形に近づいている。
残った左腕で、巨大な岩石が降って来たようなパンチをオーガは放つ。そして、その拳圧により、周りの木を巻き込んで瑛人に向かってくる。
拳圧は人間のそれとは比較にならない。
ゴゴゴゴゴ。木々は土砂を含み雪崩のように押し寄せる。そして、あたり一面は吹き飛ばされた。
「ワシもまだまだ甘いよの。楽しくなってしまい跡形もなく吹き飛ばしてしまった。核を取り戻してないと知れたら爆道殿に叱られてしまうな。」
シュルシュルー。ドカン。
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