第35話 [番外編1] 無視が1番辛い
志麻はこの時ばかりは瑛人のストーカー行為に助けられた。
「志麻さん。選手交代だ。」
「まだまだ。さっきのは危なかったけど、何かアクシデントでも起こったの?お侍さん。」
「ダメだ。志麻さん。アンタじゃこいつを倒せない。」
志麻は飛ばされた刀を拾い直し、構えた。
「女よ。貴様の核は後で取ろう。そこで待っておれ。まずは神聖な決闘を傷つけたこの男を先に殺そう。仲間を失う気持ちを味合わせてやろう。」
「仲間?なんのこと?何が見えてるか分からないけど。私はまだやれるわ。」
「そうだ。俺が相手だ。って、えっ。志麻さん俺のこと、この状況でまだ無視してるの?意地なんか張ってる時じゃないんだ。能力の使いすぎで神供が尽きてるじゃないか。」
「女よ。ワシはお前がいつ死のうと関係ないが……望みなら先に貴様を殺そう。」
「女よ。ワシはお前がいつ死のうと関係ないが……望みなら先に貴様を殺そう。」
敵は刀を構え、志麻の方へ向かってきた。
「こい!!!」
雲により、太陽が隠れ、一瞬の静寂が終わり、再度戦闘が開始したかのように思えた。
「影沼。」
瑛人は雲の影に触れ、触れた影は沼と化す。
志麻は突然のことで、何が起こったのか一瞬わからなかった。
じわりじわりと体が沈み始め志麻は瑛人の能力が発動したことに気がついた。
しかし、敵はうまくかわし、間合いを開けた。
「くっ。なにこれ。ふざけるな。瑛人。」
「ようやく呼んでくれましたね。志麻さん。少し俺の影で休んで居てください。」
そう言うと、瑛人は雲の影から自分の影に志麻を移した。
「影に物を連れ込む能力か。奇襲に使えば勝てたかもしれんが、残念だったな。ワシにはもう効かんぞ。」
「効かなくてもいいんだよ。志麻さんさえ守れればな。」
「ほぉ。惚れた女を守るためとは気に入った。名を名乗れ。貴様の墓標を拵えてやろう。」
「けっ。墓標はいらねーよ。けどな、名前なら教えてやろう。よく聞け。俺の名は木場瑛人だ。テメェを殺す男の名前よく覚えとくんだな。」
そう言って瑛人は影から身の丈ほどの、巨大な鎌を取り出してた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます