第30話 脱獄作戦

「ロベルトさん。そんなことより早く作戦を教えてくれませんか。」


当然だが、このアルパカ男には脱出する作戦があるのだろう。


「簡単デース。私は彼らの考えてるコトよくわかりマース。次彼らがいつ来るのか、警備の交代はいつか、そして誰が弱いかも調べてマース。」


どうやら俺たちが来る前から脱出を考えていたようで、既に必要情報は調べ尽くしているみたいだ。

「明日の夜の警備はとてもあまいデース。君の能力で牢屋を壊して脱出。私の仲間も助けマース。」

なんてことはない。ただの強行突破だ。


俺たちは見張りの作戦決行時間まで各々思うように時間を潰した。

杏先輩は流石に疲れたのか爆睡中だ。

牢屋でも苦なくなれる先輩は色んな意味で強い。



ロベルトさんは目を閉じてじっとしている。

アルパカの顔のため表情は全く読めないが、寝ていると言うことはないと思う。


「うーん。おかしいデース。看守の交代時間なのに交代の看守来ないデース。」


俺たちの牢屋の前には看守が1人いる。

看守は時折入口に行って交代の看守が来ないかと確認しているようだった。


看守が入口の方へ見回りに行った瞬間、ロベルトさんは俺に牢屋を壊すように指示をした。

牢屋といっても鉄で作られているわけではない。硬そうな木材でてきだやつだ。

俺は能力を使い、牢屋を破壊する。


「ユー素晴らしい能力ね。」

杏先輩と俺は牢屋から脱出。もちろんロベルトさんの牢屋も破壊して脱出した。


杏先輩はロベルトさんを助けることに不満なのか頬を膨らしていた。


牢屋は洞窟の中にできており、外までは一本道で簡単に出ることができた。


牢屋から出るとそこには人の姿は見当たらなかった。

目の前には畑、民家、農牧等あるが獣入れど、人の姿は見えない。


俺たちより先に出た看守は奥にある大きな民家に走っているのか見えた。


「あの民家は長老の家兼、集会場デース。私も何度か行ったことありますが、戦士たちは数十人ほど常駐してまーす。」


視線の先のその民家を見るが確かに明かりが付いている。しかし人の気配は感じられない。




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