第22話 勝負はいつも突然に。

ギョロリとした目に首を傾げ、細長い舌をチラつかせる。

地球ではまず見ない巨大な蛇。

体調は重機。大型の工事現場でたまに見るショベルカーぐらいか。

体は保護色に守られているため、先程は木の根に擬態し、今は草むらに擬態している。

深緑色のその体はあることがわかっていても、視界から消えそうになることがある。


「刹那くん。刹那くん。あれは大蛇なのだよ。蛇は食べれることを知っているかい。どっちが捕食者か教えてあげようではないか。」


「え?あれ食べるんですか。ってか先輩。下がったてくださいよ。危ないから。」


「ふふふふ。私を甘く見てもらっては困るのだよ。刹那くん。」


先輩は何か策があるようだった。

確かに普段は頼りない先輩だが、スライムの時も対処法を知っていた。

戦闘力はもしかして期待できるのでは。


「私は食べる専門なのだよ。前に出るわけないじゃないか。」


そう言って俺の背中を突然推し、その勢いで大蛇の正面、間合いに入ってしまった。


大蛇は一瞬頭を下げたが、間髪入れず、突撃。

大きな口は170cm超の俺を丸呑みできるほど開いた。


大蛇が口を開けた瞬間。

時間がゆっくりと感じた。

開く瞬間に蛇の牙が2本。成人男性の膝から掌ほどの長さがある。やけに太く。

刺されば怪我ではすまない。


咄嗟に牙を避けるように俺は大蛇の口に潜り込んだ。

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