第21話 サバイバルの問題

食料問題が発覚し早くも数日が経過した。

食料は底をつき俺たちは消沈していた。


俺たちは大木の根が洞窟のようにひらけた空間を作っていたため、ここに身を隠すことにした。


「刹那くん。刹那くん。私は喉が渇いたのだよ。お水が飲みたいよぉぉぉ。」


「杏先輩も志麻ちゃんみたいに水探しに行けばいいじゃないですか。早く水が飲めますよ。」


そう。志麻ちゃんは食料も水も尽きたため俺たちとは別行動をとっていた。

1番戦闘力の高い志麻ちゃんが探索。

杏先輩は戦闘力ゼロなので待機。

俺はその杏先輩の護衛中なのである。


「ふっふっふ。刹那くん。君は相変わらずのバカのようだね。私は弱いのだよ!そんな私がもし、魔獣に襲われたらどうするんだい。

私を守るのが君の役目だってことを忘れたんじゃないのかな。」


低身長から上からモノを言う彼女の戯言をいつものように流してたかったが

空腹も限界。頭も働かない。


「刹那くん!例えば私が大蛇に襲われたとしよう!君は私を守るの責任があるんだよ!」


強者が弱者を守らないといけないなんて誰が決めたんだ。守られてるんなら多少申し訳なさそうにしろ。と喉まで出かけたが俺は口を閉じた。


なぜならそう語る先輩の後ろ。丁度、大木の根出てきた洞窟の奥に生えてた根が動いたからだ。


動いた根は他の根と遜色こそないが、鼓動しており、ソレはよく見ると成人男性の拳ほどの目がこちらを睨みつけていた。

洞窟の奥から入り口にかけて、それは俺たちに襲ってきた。


俺は先輩の頭を地面に叩きつけ、紙一重でソレの攻撃を避ける。


洞窟の外に出たソレは外の新緑に当たり、形がはっきりと見える。

これは杏先輩の例えにあげていた大蛇だ…。















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る