第18話 魔女っ子はドジっ子
「こほん。」
俺と杏先輩のやりとりは志麻ちゃんの咳払いで止められた。
「いいかしら。そろそろコレの話をして。」
そういうと志麻ちゃんはスライムを指さしていた。
志麻ちゃんは杏先輩にスライムについて説明をした。
「ふふふふ。その任務、任せてもらおう。」
鼻高々にドヤ顔で語り出したのは杏先輩だ。
そういうと、箒に跨りどこかに行ってしまった。
30分後彼女は戻り、両手には大量のポリタンクを持っていた。
「杏先輩。それなんですか?」
「ふふふふ。いい質問だね。刹那くん。コレは灯油なのだよ。」
そう言ってコイツはポリタンクの灯油をスライムにぶち撒けはじめた。
「刮目(かつもく)せよ。スライムよ。これが我が最強最大爆炎魔術だ!必殺マジカルフレイム。」
彼女はライターで灯油に着火した。
こいつバカなんじゃないだろうか…
ます、真剣にコイツの頭を心配した。
魔術じゃないし、手動もいいところだし、臭いし、煙すごいし、本人ケホケホ言ってるし。
「バカ。火事になるわ!」
「ふふふふ。甘いのだよ。刹那くん!スライムを見たまえ!」
指さした先のスライムはメラメラ燃えており、鍋の下に使われる携帯固形燃料のようになっていた。
しかし、スライムは火をつけるよりも若干だか小さくなっているようにも見える。
「マジで小さくなってるじゃん。杏先輩すげー。」
「ふふふふ。これが先輩の魔術なのだよ!」
魔術じゃないけど、スライムには絶大に効いている。
「白峰さん。すごいわね。スライムが火に弱いなんて知らなかったわ」
「ふふふ。最前線部隊も知らないとを知っている私。ゆーしゅー(優秀)なんです。」
ドヤ顔が止まらない。
しかし、本当に燃やしても大丈夫なのだろうか。
俺はふと、そんなことを感じながらスライムを観察していると、スライムは突然、発光し始めた。
「杏先輩!スライムが光ってる気がするんだけど!」
「いや。こ、これは光ってるんじゃなくて、燃えてるのだよ。」
「さっきは青かったのに、白く光ってるように見えるわ。」
「いや。そ、それは炎の光が反射してるせいだよ。私はい、いつも通りやったし、実績のある対処法で…」
スライムは目を開けられないほど光始め、
俺たちは光に包まれた。
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