第15話 魔女っ子現る

「刹那くん。これスライムよ。攻撃してくれない?。」


魔獣を見つけてすぐ攻撃とか、魔獣にとっては本当に鬼だな。

能力を発動しとりあえず、スライムを弱体化させた。

「どうするの?切っちゃうの?」

「うーん。さっきから刀は入れてるんだけど、ほら。」


志麻ちゃんはそういって刀でスライムを切ったが、スライムはすぐにくっついた。

全く無駄なのである。

神供を纏って殴っても、分裂はするがすぐに元に戻ってしまう。

川岸にスライムをあげてわかったのだが、かなりデカイ。


「刹那くんの能力のせいで動きはかなり鈍いわね。」


せいとか言わないでほしい。

命令したのは志麻ちゃんなんだから。

ほとんど動かないスライムはデカイゼリーみたいだった。


ぷにぷに。ぷるんぷるんだなー


「志麻ちゃんこいつ切れないし、どうやって倒せばいいの?。」


「うーん。二つ方法があって、一つ目は特殊能力で倒す方法と、核を壊す方法があるんだけど……。」


志麻ちゃんはスライムをじーっと見て考えている。

なぜか。理由は簡単。核が見当たらないのだ。

とりあえず、本部に連絡して倒せそうな人に来てもらうことにした。


「待つのも暇だな。スライムも俺の能力で逃げないし、ほっといて帰らない?」

「だめよ。そんなことしちゃ。人が来て襲われたら大変じゃない。」


そう言って志麻ちゃんはスライムに斬撃を浴びせて核を探していた。

俺はすごーく暇で川に浸かり、空ばかり見ていた。

雲の流れはゆっくりで、空には雲以外に何もない。

いや。何かいる。

白くて小さい何かが飛んでいる。


「志麻ちゃん空になんかいる!」


志麻ちゃんも空を見上げて、たしかに遠くに何かいることを確認した。

小さな白い物体は人の形をしており、こちらに降りてきた。



現れたのは白いとんがり帽子に、白い制服に白いスカート。そして白いマントにスカートから見えるは白いパンツに胸はでかい、箒にまたがり、空から登場、所謂、魔法少女って奴だ。そして俺はこの魔女っ子に見覚えがある。


「大丈夫ですか?さっき通報があってスライムに男女のカップルが襲われているって。」


襲われてないし、カップルじゃないし、そもそも人がこの辺りにいたのか。気がつかなかった。


「って。誰かと思えば、赤塚刹那くんじゃないかい。」

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