第14話 魔獣探し
俺は修行の成果もあってあれから数体の魔獣を討伐した。巨大なタコの魔獣、ワシの魔獣、ゴブリンのような小さい奴とか色々倒した。
しかし、残念ながら魔獣の核は出てこない
土曜の昼間、俺達は訳あって郊外の山中にいた。
「魔獣相手になら刹那くんの能力便利いいわね。」
俺は志麻ちゃんとタッグを組まされている。
「魔獣相手ならって言わないでよ。」
俺の能力オールダウナーは神供操作ができる人間には、不意打ち以外効かないことがわかった。
そのせいで俺は能力判明後、志麻ちゃん、瑛人、ゴリラの3人との実践組手で全敗していた。
「別にいいじゃない。私、刹那くんとタッグ組んで勝率いいんだよね。大きな敵も倒せるし、すごくいい感じよ。」
そりゃそうだろ。魔獣が弱ったところでトドメを刺すんだから。
「ダメなんだよ。ちゃんと人間にも効かないと……。あっちの世界で戦えないじゃん。」
俺はゴリラから異世界禁止を言い渡された。
理由は弱いから強くなるまでこっちの世界で待機らしい。
初めは刺激的なこの仕事も今では単なる作業。
実につまらん。さらにこの業務はきつい、汚い、危険の3K職場なのである。
「でも、そんなにあっちの世界で戦いたいのかしら?私は人間相手に戦うより、魔獣相手に戦う方が楽でいいわよ。」
そう言った志麻ちゃんはどこか悲しそうだった。
「大輔さんは、刹那くんが弱いから異世界行くのを禁止したんじゃないわよ。きっと。あっちはこの前の爆弾魔のせいで色々荒れてるし、私も向こうで人間相手に戦ってたことあるけどいい気分じゃなかったわよ。見たくないモノも色々見たし…。」
志麻ちゃんも昔あっちで戦ってたんだった。
「ごめん。志麻ちゃん……。」
不用意な発言をしたことをつい詫びてしまった。
「異世界の扉あるでしょ?私が入るずっと前はあそこが最前線だったんだらしいの。マトウはあの扉から魔獣が侵入してることを知って、逆に異世界侵入して向こうの世界で大暴れ、私も入った当初は向こうの世界で色んな敵を倒して最近ようやく落ち着いたんだけど。なぜか最近は異世界の扉以外から魔獣が現れるのよね。その黒幕さえ捕まえれば多分刹那くんも向こうに行けると思うんだけど。黒幕がこっちの世界にいるかわかんないけど、マトウはこっちに黒幕がいるって睨んでるの。だから私たちの仕事もすごーく大切集中してほしいわ。」
黒幕といってもこれまで倒した魔獣の出現場所は組まなく探したが、魔法陣などゲートのようなものはどこにもなかった。
だから俺たちは最近倒した魔獣の痕跡からこの山に何かあると踏み調査の任務をしていた。
にしても暑い……死ぬ。
5月だと言うのに気温は30度と真夏並みに暑い。
山奥なのでまだ涼しい方だとは思うが山を何時間も歩き回ると流石に堪える暑さである。
頭がぼーっとし、何も考えられなくなってきた。
「志麻ちゃん。ちょっと休もう」
「あと少し頑張って。」
俺たちはそういって俺たちはゲートの痕跡を探す。
何が痕跡なのかわからないが…。
はぁはぁ。もう限界だ。暑すぎる。
水の流れる音がする。川が近いのか…。
俺は暑さから逃れるために水の音がする方へ走った。
山を降るとそこには思った通り、川が流れていた。
隊服を脱ぎパンイチで川にダイブ。
ペチャプン
生き返る……気持ちいい。
んー冷たいけどなんだこれ。
水の中に何かいる。
「ちょっとー。刹那くーん。何一人で遊んでるの?男の子はいいわね。すぐ脱いじゃって水浴びなんて。私も水浴びしたわ。」
志麻ちゃんは俺の方を見て裸足になり、川に足をつけていた。
「いや。違うんだ。志麻ちゃん、なんかここにいる。」
といって、俺は水の上に立った。
「ほらーここ。」
そう言うと水が突然揺れ始め、俺は上昇した。
俺が上昇というか水面が上昇し、その上に立っていた俺も水面と一緒に上昇した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます