第13話 修行編4
修行2日目
今日は志麻ちゃんに修行をつけてもらう。
ゴリラは他の仕事で来れないらしい。
「じゃあ刹那くん。まずは昨日までの復習を見せてよ。」
志麻ちゃんはストーカーがいないためか機嫌が頗(すこぶ)る良かった。
俺は手に神供を集めここまでできたことをアピールした。
「他には?」
志麻ちゃんは俺がこれしかできないと言うと少し困った顔をしていた。
「んー。神供の使い方は二つあるんだけど刹那くんは一つしかまだ使えないみたいね。」
と言うのも普通は身体強化を神供で行い覚醒者として目覚めるのが普通だが、俺は身体強化が全くできていなかったからだ。
「と言うことで今日は身体強化を行います。」
その一言から今日の修行は地獄になった。
俺ひたすら使い始めた神供を体に纏う。
纏うことができるようになったら志麻ちゃんが全力で殴る。これの繰り返しだ。
しかも志麻ちゃんは俺の能力を警戒して直には殴らない。刀の鞘で殴るのだ。
ただの暴力。ゴリラ女と化した彼女を俺は止めることができなかった。
「志麻ぢゃん。ふごぉ」
「え?何。刹那くん。」
「ぞろぞろ。やめ。ふごぉ。ませんか?」
「まだお昼ご飯には早いよ。ガードも少しずつできてるし頑張れ。」
「ぱぁい。頑張りまつ。ぶごぉ」
彼女は俺が話をしている間も常に殴りつけた。
半日殴られて初めは骨が折れるかのように痛かった志麻ちゃんの攻撃が次第に素手で受け止めても痛く無くなってきた。これがいわゆる神供を纏うと言うことなのだろうか。
「そろそろ。基本はできてきたようね。刹那くん。」
「ぱぁい。志麻ちゃん。なんとなくだけどガードできてる気がする。」
「じゃあ次のステップ次はその状態でそこの岩を殴ってみて。」
俺は言われるがままに岩に正拳突きを繰り出した。
神供が体を纏っているのがわかる。
普段なら拳が砕けるはずなのに今回は結果が違った。無傷だ。拳も痛くない。例えるならグローブをつけているそんな感じがした。
「まだまだね。もっと神供を貯めれば岩が砕けるはずよ」
俺は昨日の練習を思い出して、神供を腕に貯めた。
石は持っていないが、体を纏っているのが神供が指先、腕に集中して纏われるのがわかった。
「せぇい。」
岩は音を立てて崩れ落ちた。
これが俺の新たな能力。
これならあの爆弾魔とも戦える。
志麻ちゃんは親指を立ててニコッと笑っていた。
「それじゃあ、これからひたすら組手をやるから構えてね。」
「はい。え?はい?」
志麻ちゃんはそう言うと問答無用で俺をしばきにかかった。
丸2日この修行を行い俺は身体強化をマスターした。
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