第12話 修行編3

ジャリ、ジャリ

何かが地面の砂を踏む。


「なにやってるのー?学校にも来ないで。」

志麻ちゃんだった。


「学校休むんだったらちゃんと連絡しなさいよー。連絡受けたの遅かったから根回し大変だったんだからー。」


志麻ちゃんが学校から家から色々調整してくれたようで俺は今日は体調不良で休んでいることになってるらしい。


「ねー。志麻ちゃんもやっぱり修行とかしたの?神供を出す奴。」


「んー。やったよー。私の場合は大輔さんにしっかり基礎から教わったから倒れるまでやったことはないけど。」


そうか。普通は倒れるまでやらないのか。


「明日は私が教えてあげるよー。」


え?本当。志麻ちゃんと二人きりで教わるなんて最高じゃん。やったー。


「志麻さん俺が教えるので大丈夫ですよ。」


しれっと瑛人が俺たちの後から現れた。


「刹那。もう神供をためれるなんてすごいじゃないか。やっぱり教え方がよかったのかなー」


チラチラ、志麻ちゃんの方を見ている瑛人を完全無視する志麻ちゃん。


「じゃあ明日何時から修行しようか?私も同じ宿屋だから多分朝一から修行できるよー」


「そーですね。俺も同じ宿屋に泊まるんで5:00とかどうですか?早朝ランニングから始めましょ。」


「俺朝早いのダメだから、志麻ちゃん10:00とかがいいなー。やっぱりだめ?」


「うーん。2人だから別いいけど。あっ。せっかくだし大輔さんも誘って3人で鍛えようかー。組手とか色んな人とやった方がいいし。」


いや。素人の俺と組手とかやろうとしてるのかこの子は。マジで殴られたくないんだけど。


ってかさっき2人とか言ったか?瑛人がいるんだから既に3人いると思ったんだけど。


「やだなー志麻さん。俺がいるから既に3人ですよ。やだなー。」


「瑛人ってもしかして…幽霊なんじゃ。」


「え?瑛人って誰?もしかして何か見えてるの?人種の魔獣かも。」


「やだなー志麻さんったらー。」



志麻ちゃんは、終始目が笑っていない。



「瑛人ちょっと席を外してくれ。お前のために。」


「刹那。師匠になんだその態度。」


「刹那くん誰と話してるの?」


これ本当のやつ。俺は瑛人を説得した。


「いや。俺が最初に教えたてたんだぜ。なぁ。そうだろ?刹那。俺も必要だろ…。俺も居ていいよな?いいって言ってくれよ。」


俺は顔を顰(しか)め首を横に振った。


瑛人の目からは夜なので暗くてわからなかったが、泣いていたのか、目に光るものが浮かんでいた。

瑛人は能力で影の中へ消えていった…

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