第8話 暴動と恐怖
気温は低く、洞窟の広さはかなり大きい。
周辺にはいくつもの松明が立ててあり、決して暗いとは思えなかった。洞窟の中には川が流れていおり、とりあえず川を辿って見ることにした。
「どこだここは?」
といっても刹那以外に誰もいない。
声が反響するし、肌寒い。
遠くには光が見える出口だ。
外に出るとそこは森だった。地球じゃない事がすぐにわかった。空には紫色の三首の鳥がいた。
道なりに進むと城壁が見えた。
門のところには俺と同じ制服を着た人間が立っている。
「お疲れさん。見ない顔だなー?新人さんか?」
「あっ。はい。」
ガチガチの人見知りをするのが、俺のいつものファーストコンタクト。
「ここは、ネフロントだ。入るなら念のため名前、所属とあと……」
ドトォォォン
爆発音とともに門番さんの声が遮られた。
街の中から煙が上がっている。
門番と俺は慌てて国の中に入り込んだ。
門の中にはビルなどの建物はなく、ヨーロッパの古びた街並みのような光景が広がっていた。
門からまっすぐ行ったところには大きな城があり、その城から煙が上がっている。
俺の野次馬根性が発動し、煙が上がっている方に足が向いた。
「ちょっと、君……」
門番が何か言っているが無視だ。
逃げる人達に反して俺は城に向かって走った。
恐怖はあったが、野次馬根性が炸裂したのだ。
門と城の丁度中間地点に広場があり、そこには噴水があった。街の人達はもう逃げ終わっているのか誰もいない。建物は一部分ではあるが火の手が上がっているところもある。
城の方から同じ制服の人間が走ってきた。頭には血を流しており、城の方をチラチラ見ている。
同じ制服の連中から追われている。
建物に手をつけ、追手を確認し、タイミングをよく建物を爆発、2ndレンジの覚醒者だ。
建物は追跡者3名を巻き込み倒壊するが、追跡者の1人が爆風の中から飛び出し、爆弾魔を殴り飛ばす。
追跡者が固まり、体制を整えると飛ばされた爆弾魔の死ねの一言で1人が爆発した。
俺は足の震えが止まらない。声を出そうにも声が出ない。生まれて初めて味わう死の恐怖と1人で戦っていた。
爆弾魔は体力の限界なのか、息を荒らしながらこちらに向かってくる。足の震え、声の震えが止まらないのに強がって戦闘体制だけは整えた。
武器はない、防具もない、多分死んでしまう。
爆弾魔の肌は赤く、目も鋭い、髪は黒だがその髪から見える角は黄色で人間ではないことは冷静でない俺でもすぐにわかった。
ゆっくり、ゆっくり近づいてくる爆弾魔の気迫に気後しているのは誰が見たってわかる。
爆弾魔は鼻で笑い、俺の方に石を投げつけてきた。
即座に俺は右によけ、飛んできた石は手榴弾のように爆発し、爆風よって吹っ飛ばされて俺は意識を失った。
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