第3話 美味しい話には裏がある

あれ。いつ寝たっけ。明日は朝から英語の単語テストがあったな。違うな。なんかあったけどいいや。めんどくさい。

「んー。あと5分したら本気出す。」

「おい。起きろー!」

俺が起きるとそこには話すゴリラと志麻ちゃんがいた。


あっ。ちがう。大輔さんだ。

「おはようございます。」

「刹那くんすごいね。油断したとして、志麻ちゃんといい勝負するなんて。」


大人から褒められるのは久しぶりだったせいか、俺は無性に嬉しかった。

俺は気絶したにもかかわらず、体には大きな外傷はなかった。


「治療はしてるから痛いところとかないでしょ?

あなた中々やるわね。少し本気を出しちゃった。」

俺の目には立つのもやっとな気がしたが、まぁそこは追求しない。


「刹那くん、その力をウチで使ってみないかい?」

ゴリラがウホウホ言っている。


「刹那くんの力は今この世界に蔓延る魔人たちとの戦いに有効だ!ぜひ、ウチに来て、日本を…いや、世界を救ってくれ。」

ゴリラがウホウホ言っている。


俺は大輔ゴリラの真摯な対応に俺は心が揺らいだ。

だが、常に俺に対して上から物を言い、ましてや戦闘経験0の俺を気絶まで追いやった。志麻ちゃんの対応が不満だ。ちゃんと謝ってくれれなら入ってやらんこともない。


そう思いながら、志麻ちゃんをじーっと見ていると

「刹那さん、今までのあなたを試すようなことをしてごめんなさい。格闘技の経験もないあなたを気絶させるようなことして……でもこれも全てあなたを本気にさせ、実力を見るためだったんです。」

志麻ちゃんは俺に詫びた。


そうか、全て俺の実力を見るためだったのか。


「志麻ちゃんさん。全然大丈夫ですよ。そんなことだと思ってました。俺なんかの力でいいなら、いつでも貸しますよ!ぜひ俺も世界を救う仲間に入れてください。」


俺は…空気の読める人間だ。昨日の敵は今日の友という言葉もある。

難しいことは分からんが、志麻ちゃんもゴリラもいるし、なんとかなるかー。


「ウチに入る前に、君の能力を報告するために確認してもいいかな?」

学術名ゴリラゴリラゴリラがウホウホ言っている。


「俺の能力は触れたものの体力・攻撃力・防御力を下げるって物だと思うんですよ。握手した手を払われた時に触って。」


「き、機転が聞くのね。初めから能力使って攻撃してたのね……。」

志麻ちゃんは顔が引き攣っているように見えた。


「よーし。実は君に能力を与えた魔獣は新種でね。データが取れていなかったんだ。君の能力はオールダウナー。攻撃範囲はセカンドレンジ、補助タイプだ。補助タイプは珍しいからな重宝されるぞ。」


ゴリラはかなり嬉しそうだった。

簡単な能力説明の後に、誓約書にサインをして今日は解散になった。


俺は施設のベットの上で何か、引っかかっていた

壁に掛けてある時計を見ると11:00AM…俺の空腹音と共に、英語のテストを受けずして、俺の補習は確定した。

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