彼方の忘却

波打ち際の波音は溶けて

揺れる水平線は曖昧に誘う

無くしたものは水中へ

私たちは単なる独り子


救い上げても零れ落ちる

砂は息をひそめて歌っている

触れれば触れるだけ

私たちは溶けあってゆく


不釣り合いな妄想の中を歩く

止めたければ止めなよ

それなりの代償を支払うけどね

息をしなくちゃいけないのも

単なる夢の出来事さ


矛盾の中に繋がる歪な鎖は

それが正解でしかない

君たちゃ何もまだ見ちゃいない

何も考えてすらないのさ


アイロニーの周囲に蠢くゴミは

君たちが捨ててきたんじゃないか

海が汚れていく

私たちの体は空っぽの正立虚像




遠くで誰かが笑っている

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