椿

薄命に終わる理の中で

埋もれた心の臓を掬い

紡ぎあげた糸をむすんで

一つの螺旋を描いた

永遠に続く眠りまでは

決して絶えぬようにと

千羽の鳥が吊るされた空

安寧の終焉までもう少し

積み重ねた年月は未だに

私を見捨ててはいないけれど

庭の見える部屋から見れば

赤い椿が咲いている

空蝉のわが身にとって

静寂を映し出した祈りは

罪を重ねてきたかのように

その心を浮かばせる

遠くで鐘の音が聞こえ

日常の一端が沈みゆく

白い息さえ闇に溶けて

目を閉じた

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