言葉狩り

曖昧な定義のまま

遠回しな表現探す

ボキャブラリーは無いけれど

独り愛を語るつもりだ


手を取ってありきたりな表現

僕にはさっぱり分からない

今日も他人の言葉借りて

自分を名乗るのは違和感だ


綺麗な言葉も汚れた言葉も

どれも花に似合わなくて

それでもまだ安直に

言葉を借りるのは嫌なんだ


少しずつ消えてゆく声

僕の耳に残響する声

少しずつ消えゆく言葉

僕の口に転がっていく言葉


拝啓も敬具もいらない

焦燥感を抜いて話せ

絶対的な言葉なんてない

ない

ない

ない


曖昧な定義のまま

愛をささやく人たち

何を根拠にしているのか

僕にはさっぱり分からない


ずっとずっと愛しているなんて

どうやって証明していくのかな

こうやってああやってそうやって

今日もまた無味無臭の言葉を吐くんだろ

空想も絶望もいらないけれど

土台すらないのはどうなのかな

ずっとずっと嫌っているなんて

どうやって証明していくのかな

そうやってこうやってああやって

今日もまた無味乾燥の妄言を吐くんだろ


少しずつ消えてゆく声

僕の耳に残響する声

少しずつ消えゆく言葉

僕の口に転がっていく言葉


少しずつ消えてゆく声

僕の耳に残響する声

少しずつ消えゆく言葉

僕の口に転がっていく言葉


こうやって言っているけど

そもそも「愛している」

なんてなんだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る