第41話 Oh my God/Father
夢枕でのさよならから数十分後、イオンはシンちゃんと話をしていた。
「ありがと、シンちゃん、おかげで最後の挨拶ができたよ。」
「いやいや、お前には世話になりっぱなしの上、最後は爆死だったからな。こちらこそ申し訳なかった。そして、ありがとう。助かったよ。」
とありがとう返しされた。
「さ~~~~て、そろそろ俺は天界に戻るか。やっと一息つけるわ~~~。」
グーっと手を上に、伸びをしながら言うイオン。
「えっ、お前何も聞いてないの?」
驚くシンちゃん、同時に可哀想な者を見る目になるシンちゃん。。。
「えっ、どういうこ・・・」
とシンちゃんに言いかけて、魂の転移が始まる。次の瞬間、
イオンの前に父(主神)が立っていた。
伸びのポーズが解けてないまま、呆然とするイオン。爽やかに片手を振りながら笑いかける父。
その瞬間、父への怒りが瞬間的に頂点に達し、イオンのオーラが全開となる。ここは神界、イオンの力は思う存分発揮される。
その動きは雷よりも速く、その手刀はおそらく山をも両断するであろう。
主神もさすがに慌てふためき、こりゃマズイと思ったのか、オーラを全開にして、息子の攻撃を防ぐ。攻防を続けながら、お互いギリギリのところで会話を進める。
「死ね死ね死ね死ね死ねーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「コラ、親に向かって死ねとはなんじゃ!!!」
「お前はそれだけの事はしたぞ!!!どーせ主神だし、死なないんだろ!?一発くらい殴らせろーーーーーーー!!!」
「こりゃ、落ち着かんか!!!(全くもう、出力だけはとんでもないな。。。あ、次のはもらうとマズイ!!!)」
と言いながら、主神は奇跡を発動させる。その瞬間、イオンの体は拘束され、顔以外動かせなくなった。
「テメー、卑怯な真似を!!!こうなったら・・・お母さーん、母さーん!!!イオンです。息子のイオンが久しぶりに会いに来ましたよー!!!」
クソ、とんでもない事思いつきやがる、と慌てる父。
あらん限りの大声で母を呼び叫ぶ息子。
手で口を塞ごうとする父。
手を噛み、さらに大声で母を呼ぶ息子。
ラチが明かんと判断し、父のオーラはこれまでになくMAXに増大、次の瞬間、息子の鳩尾に正拳が突き刺さる。
グッタリと気絶する息子を肩に乗せ、コソコソと家から人気のないところに移動する主神の姿はまさに犯罪者のソレだった。。。
かくして、約1万年ぶりの親子の再会が、割と最低な形で成されたのであった。
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