パラレルワールドナイト・イオン エレぇ人(神)にゃ逆らえねーからな、なんたって主神様だもんな。そんで俺はなにすりゃいーんだ?から始まった世界の安寧秩序化プロジェクト(本人知らず)。
第33話 っていうか、、、うん、まぁいいか。
第33話 っていうか、、、うん、まぁいいか。
「御屋形様、本日の将軍拝命式、お疲れ様でした。」
今日は俺の将軍拝命式であった。これでこの国は事実上、俺の支配下に置かれ、俺に抵抗する勢力は公式に賊軍として扱われる。
「うむ、ようやくこの国の平定に目途が付きそうだ。。。あと10年ってところかな。ところでサル、タヌキ、ハゲよ、この国の平定はもう手の届くところまで来ているが、その後はどう考えている?」
サルがいつもの調子で、
「はっ、私としてはこの国平定後、5~6年は地盤を固め、それから外の国に進出し、雄田の支配領域を
増やしていくべきかと。殿、そして玉若様の世をこの世界に広めたく。。。」
「そうか。タヌキよ、お前はどうだ?」
「私はどちらかというと、外の世界の進出はあんまり興味ないですね。外国から攻めてくるのなら抵抗はしますけど、用もないのにこちらから態々攻め込むのは金もかかるし、手間もかかるし、なにより人が死んじゃいますもんね。」
「ハゲは?」
「・・・そうですね。外に行くのは賛成ですが、軍事的なものではなく経済的に侵攻していくべきかと。我が国は島国ですので、戦ともなれば海外との補給線は容易に途切れます。統治に関しても我々の益はあるますまい。
であれば、海外の有能な人材や文化を我が国に取り入れ、この国を経済的、文化的に栄えさせるのが一番宜しいかと思います。」
「なるほど。分かった。三人とも下がって良い。今宵は新月だな。。。今日はサッと汗を流して、寝る。仮面衆の護衛も要らんと言っておいてくれ。」
「「「承知しました。」」」
・・・出自がハッキリしてなくて、最近入ってきたばっかりだけど、アイツのいう事が一番ピンと来るんだよな~。。。サルとタヌキももう少しシャンとしろよな~。
ブツブツ言いながら着替えて、蝶と二言三言会話してから家族三人で床に就いた。
・・・就寝してから四半刻、何かおかしな気配を感じて目を覚ます。
(父さん・・・)
(そのまま寝ていろ、今から蝶を起こして体制を整える、蝶、起きろ!仮面衆、来い!!)
(・・・今起きた。何、この気配。。。)
(敵だ、黒装束に着替えろ。蝶、玉若を背中でおぶって落ちないようにしっかり結わえとけ。もうすぐ来るぞ)
身体を起こすや否や、二人はすぐさま黒装束に着替え、戦闘態勢に入る。
(準備はいいな、お前は絶対に戦うなよ、自分と玉若を守ることを第一優先に。10秒前、9、8、7、6)
「曲者だーーーーーーーーーーーーーー!!!出合えーーー!」
イオンの怒号と同時に同じような黒装束の暗殺者3人が障子を突き破り、刀を振り下ろしてきた。
躱すこともできたが背後にいる二人を守らなくてはいけないので、一人は刀を振って吹き飛ばし、一人は蹴りで吹き飛ばし、最後の一人は刀の根元を肩で受け止め左拳で吹き飛ばした。
不味いな。敵の気の大きさは100万程度、ルーランほどではないが連携が良く、気の扱いも上手い。仮面衆よりも腕が立ちそうだ。
(形勢が不利だ、仮面衆と合流するぞ。)
(承知しました、揺れるけどしっかりつかまっとくのよ、玉若!!)
(はーい、後ろはちゃんと見張っとくから任せて、母さん)
敵が大勢を立て直し、こっちに向かってくる。その前に少し時間稼ぎが要るな。
「よう!そろそろ来るかと思ってたぜ、クロアの使途。この国をもう一回戦渦に巻き込もうと思ったら、このタイミングだもんな。将軍になった俺が今死ねば、この国はまた混乱に陥り、またカルマ値はグンと上昇するよな。」
話しかけながら周囲の気配を探るイオン、どうやら三人だけの部隊で攻撃を仕掛けてきたらしい。一方仮面衆はここに到着するまで3分はかかりそうだ。
「「「会話で時間を取ろうとしても無駄です。頼りになる味方が到着するまでおおよそ3分程。その間にあなた方の内一人は道連れにさせてもらいますよ。」」」
「お前ら、三つ子か?三人同時に同じ声で同じ事しゃべるなよな、気持ち悪い。どうなんだ、やっぱり同じ女の子を好きになったり、ウンコのタイミングも同じだったり・・」
「「「時間稼ぎに付き合う気は無い。死ね!!!」」」
時間稼ぎの無駄話は通用しなかった。全く、ノリの悪い奴らだ。向かってきた直後、後ろの土壁を蹴破り、外への脱出口とした。
(蝶、こっから降りて仮面衆と合流しろ、敵はなるべく俺が相手する。)
(分かった、死んだら絶対許さないからね!!!あと、クロアとかカルマとか、訳分かんない事、後で全部教えなさいよ!!!)
あぁ、ヤッパリ問い詰められるわな。。。玉若はヤレヤレとという顔をしている。お前も蝶への説明に付き合えよ!!!
蝶達が壁に空いた穴から下に脱出するや否や、敵はイオンの方に駆け出す。5合、6合と切り合うが、イオンの強固な防御を崩せない。普通の攻撃では切り抜けないと思った敵はアイコンタクト、フォーメーションを変えて向かってくる。
一人の敵が先頭に立ってイオンに向かってくるが残り二人との距離が空いている。異変を感じたイオンは防御態勢を取る。ルーランと同じく自爆攻撃だった。爆音が鳴り響き、白煙があたりを埋め尽くす。
「クソ、簡単に自分の命を捨てやがる。これだからクロアの使徒ってヤツは・・・。」
そういいながら、蝶の方へ走り出す。不味い、蝶に追いつかれる。蝶と敵二人の距離は約20m、敵と俺との距離は約30m。
神気を全開にし、距離を詰めようとした瞬間、敵の一人が反転しこっちに向かってくる。再度自爆攻撃をしようとするが、刀を投擲しとどめを刺した。しかし、この攻撃により敵との距離が数m開く。
なお全力で敵に向かうが、あと数mのところで、今度は敵が刀を投擲する。
「蝶、避けろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
首を後に向け、あっ、という表情の蝶。
「蝶、玉若ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
スローモーションの様に時間が流れる。
刀の切っ先が背中におぶった玉若に突き刺さる。。。。
その瞬間、玉若がその小さい身体を捻り、右手の甲で刀を叩き落とす。
「「「えっ?」」」
俺、蝶、敵の3人がポカンとする。そんな中、のんきな声で、
(あいた~~~~・・・・もう、父さんも母さんもしっかりしてよね。痛った~~~、折れちゃったんじゃないかな。。。この身体で気を全開にすると後で筋肉痛がひどいんだよね。気を付けてよ。)
ヤレヤレ、とため息をつきながら3人目を拘束し、自爆用の火薬を取り外す。そんな中、仮面衆が追いつき、蝶と玉若の警護、周辺の警戒を開始し始めた。
その後、厳戒な警護の元、俺たち3人は眠りについた。
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