第29話 ヤレヤレ・・・ため息しか出ねぇよ。。。

その日、転生してから初めてシンちゃんとチャンネルを繋いだ。

「・・・オイ」


「なんだ。。。」

不機嫌そうなシンちゃんから返事が返ってくる。


「アンタ知ってたのか?」


「知ってたら何百年もこんなこと起こさせねーよ。。。」


不貞腐れ度100%の回答にプツッと切れてしまった。

「テメーふざけたこと言ってんじゃねーよ!何百年も前から自分の世界にホイホイ他所からの侵入者許して、好き勝手荒らされて、知りませんでしたって無能もいいとこじゃねーか!!!っていうか無能以下だ、テメー!!!」


「・・・・・・・」


「何とか言えよ!!!ってオイ・・・ハァ~~~~~、シクシク泣いてんじゃねーよ!!!」


「・・・だってよ、この世界の人間に申し訳ないやら、カッコ悪いやら、嫁と子供も呆れられてるやら、ここ2~3百年でいろんなことがあり過ぎてよ~~」


見るも憐れとはこのこったな。。。イイ歳こいたオッサンがサメザメ泣いてる姿を見て何だか怒ってる自分が悪いみたいになってきた。全く。。。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ~~~~~、


しょうがねぇな~・・・・・


フゥ~~~~~~・・・。。。


分かった。もういいよ、泣くなよ。。。で、アイツ等はどうやってオッちゃんの管理下をかいくぐってこの世界に来たんだ?」


「・・・セキュリティホールがあるのは知ってる。あえて開けている部分もあるからな。そこは重点的に監視・管理はしていたんだが、当時の記録を見ていると、どう言う訳か、普通の人間の魂がルーランに変異していったんだ。転生と言うよりは憑依に近い。」


「・・・天界の新テクノロジーか?クソ、で、天界にはもう通報したんだろ?クロア・ディン・カルトロスとやらはどう弁明してるんだ?」


「知らぬ存ぜぬ記憶にございませんの3点張りでな。ルーランとやらの名前を出しても、誰それ、俺のファン?とまでぬかしやがった。クソ、思い出しても腹が立つ。」


「ハイハイ、尻尾切りね。分かった分かった。状況証拠を積み上げて動かぬ証拠を以て豚箱にぶち込むしかねーな。とりあえず、その憑依?に関しては、敵ももうおいそれと多用はしないと思うけど、天界のサポート借りて早く究明してよ。オヤジも駆り出してさ。」


「イオンよ、お前の親父殿はおそらくこの件、なにか知っている節が見受けられる。対策書も天界のエンジニアのサポートも既に用意してあったよ。あ、あとこれ伝言な。


「エエトコまできとるのー、カルマ球も真っ黒から灰色くらいに変わっとる。あと嫁のちよちゃん、かわええの~。天に召されたらお茶でも一杯やろうと伝えておいてくれ。後も―ちょっとじゃ、頑張れよ~。」


だとよ。」


「う~ん、殺したい。今度会った時はこの鉄拳を顔面にめり込ませよう。」


「とりあえずこっちは対策書とエンジニアのサポートで憑依システムを解明しておく。あとルーランももう少し締め上げて情報を吐かせる。


・・・すまんが下界の方は頼む。」


「ハァ~~~~~~~~~~、ため息しかでねーよ。とりあえず部下たちに憑依が無い様に注意してやらんとな。。。ヤレヤレ。。。」

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