第27話 わざとだ。。。
気絶している硏如の左の手の指を一本一本折っていき覚醒を促す。3本目で悲鳴と共にようやく気が付いた。おはよう、ようやく気が付いたな、と言いながら、4本目、5本目の指を折っていく。
「ぐぅぅううううううー――――、お前、僕にこんなことをしてただで済むと思っているのかっ!?」
「お前は俺の聞いたことに答えるだけで良い。。。」
そういいながら、今度は爪を一枚一枚剥いでいく。
「っつつ、くククっ・・・・!!!」
「活性化、再生していけよ。これからどんどん痛くなるぞー。」
「つっっっ!!何が・・・、何が知りたいんだぁぁぁーー!?」
「ん? おぉ、聞くのを忘れていた、すまんすまん。。。わざとだ。中々に敏いな、お前は。」
冷静な口調と態度の反面、俺の怒りのボルテージはドンドンと上がっていく。同時に膨大な神気も噴出していく。
その瞬間、硏如はこれから始まる地獄に戦慄し、あまりの恐怖のあまり自害を計ろうとしたーーーが、
「おっと、簡単に死なせる程俺は優しい神ではないぞ。。。」
肘で前歯を砕き、クナイで奥歯を一本一本抜いていく。
「よし、これで自害はできないな。。。そうだ!!出血多量で死なれては困るから、止血してやろう。ちゃんと痛くしてやるから気をしっかり持てよ。。。」
「ぐぅ、ああああああああー、あっーあーーーーーーーーーーーー!!!」
断末魔の如く叫び声が本堂に響き渡るが、いやいや。。。断末魔などまだあげさせんよ。
「さてと、久方ぶりの神との会話をゆっくりと楽しもうか。まずは俺の推測を聞かせてやろう。
端的に聞く。合っているかどうか答えろ。
お前たちの目的はこの世界の消滅だな?シンドゥ・ラカン・マーヤを失脚させ、次に創世される世界の主神になろうとしている、違うか?」
その瞬間、硏如ことルーランの目は見開かれ、なんとかこの場を逃れようとするのが分かった。
イオンはルーランへの拷問を続ける。
「ホレホレホレホレホレ、神気で回復を続けないと、痛い箇所が増えるだけだぞ。気絶しても無駄だ、俺が精神操作でしっかり起こしてやる。出血死の心配もしなくていい。傷など俺がたちどころに治してやるから。
知っている情報を全て吐け。さもなくば神気を使い果たした状態で殺す。何を意味するか分かるな?存在の消滅だ。いいか?お前の選択肢は二つ、
① 主に忠義を立て、何も喋らず、神気をゼロまで消耗させられて、存在そのものが消える。
② 今この場で俺の靴を舐めて、全て喋り殺された後、天界に逃げ帰り、どうしようもなかったと、またお前の主の靴を舐めながら許しを乞う。
どうする?安心しろ。お前みたいな雑魚が首謀者だとは思わん。靴でも舐めて許しを乞った方が利口じゃないのか?
3秒以内に意思を示せ。①ならば何もせんでいい。主に忠誠を誓い、そのまま拷問に耐え続けろ。②ならば、サッサと喋れ。
おっと、選択肢をもう一つ忘れてた。
③残った手足と舌を切り取り、死なぬように大事に大事にペットとして一生飼い殺しにしてやろう。本来であれば鎖でつないで昼の日中を城下町で散歩してやりたいところだが、町民が気味悪がるでな。豚小屋で勘弁してやる。
カウントするぞ、3、にぃ―――――
カウント2の真ん中で、俺の足にむしゃぶりついてくるルーランが見えた。俺はその顔面に蹴りを入れて吹っ飛ばした。
天界には大きく二つの派閥があり、一つは俺のオヤジが代表を務める聖神党と呼ばれる保守派。シンちゃんことシンドゥ・ラカン・マーヤは聖神党の中堅に当たる神であった。
もう一つは神魔党と呼ばれるリベラル派である。
“魔”とあるが、悪魔的な意味合いではない。単純な性質の違いで、コインの裏表、優劣も、正邪も無い。ついでに言うと、保守、リベラルと典型的にはそう分けられるのだが、実際にはどちらの党にも保守やリベラルと呼ばれる神は存在している。
これら二つの党が議論し、世界の方向性を決めている。組織上、その二つの党の上には代表者委員会なる10柱の神々の委員会が存在し、その上に創造主こと聖魔神が存在する。最高決定は概ねその代表者委員会の会議で決定される。
創世、現存する世界の総数は概ね決まっており、世界が消滅した時、どちらかの党の神が主神になるのだが、それを決めるのはその代表者委員会だ。大抵片方の派の統治が失敗した場合、次の世界の主神はもう片方から選ばれる傾向にある。
選り良く統治出来ている神と党には当然、創造主の恩恵を多く受ける事が出来る。
皆自分の派に有利な様に動くのはどこの政治団体でも同じで、天界でも同様である。今回の様な事件もおそらく魔神党に属する利己的な神の1柱が計画したんだろう。。。
ルーランは自分の仕える魔神党の上司の名前、クロア・ディン・カルトロスをあっさりと白状した。名前は知らんが、おそらくシンちゃんと同じ中堅くらいの神であろう。
根掘り葉掘り聞くところによると、この国には今時点でその神から指示を受けた仲間があと何名か居て、転生を繰り返しては国を荒れさせ、争いの種火にガソリンを注ぐかの様な行為をここ数百年繰り返しているらしい。
子供を殺したり、子に親を殺させたり、こういう自然の摂理に反する事や、悪感情が上がる行為に関しては、カルマ値も上がるので、宗教を利用し、それを積極的に実行したとの事だ。
存在の大きさの判別の仕方についても詳しく聞くと、要は気配察知の要領をさらに研ぎ澄ませると、その存在がもたらす魂の大きさが大まかに検知できるらしい。今度試してみるか。
さて、ほぼ全て、こちらの欲しい情報を喋りきってくれたルーランには、最後の引導を渡してくれようか。
「・・・よくわかった。ルーランよ、それでは命ずる。死した後、シンドゥ・ラカン・マーヤの元に赴き、事の子細を伝えるが良い。その後の沙汰はシンドゥに任せる。」
「・・・ありがほうごはいます(ありがとうございます)。ほれへは、はいごのかいはくを(それでは、最後の介錯を)。。。」
「ん?介錯とはなんだ?もしかしてお前、首を刎ねられて終わりと思っているのか?」
「・・・・・・・・ほういうこほへすか(どういうことですか)?」
「殺してやるとは言ったが、介錯してやるとは一言もいってない。そもそもお前、どんだけ子供と女を犠牲にしたのか分かってんのか?たかが天界の派閥争いに人間を巻き込むとはどういう了見だ?あぁ?
お前には今世で肉体的にも精神的にも最大以上の苦しみを受けなければならない義務がある。」
喋りながら、俺は僧兵にある精神操作を行った。
僧兵達には、目の前にいる美女が、自分たちにとって最も性的に魅力的な容姿の美女が、妖艶なる薫りを放ち、自分達をその気にさせている様に見えている。
更に彼らの爛れた性欲を極限にまで高め、飽きることなく目の前の美女を襲う様に脳内を改竄した。
パチンと俺が合図をした直後、僧兵達は硏如ことルーランに一気に襲い掛かった。
「やめっ、んん!んんんんんんんんんんんんん――――――――――――――――――!!!!!!」
ルーランの苦悶と絶叫、僧兵達の嬌声、規則的に汚い音で鳴り響く肉と肉との衝突音。絶望の顔と欲望に満ちた顔を交互に見下ろし、踵を返し本堂を後にした。
全員自意識を失った状態なので多少時間はかかったが、女、子供をふもとまで避難させ、何とか朝までには全員を連れ出した。僧兵共も多少抵抗したが、問題なく処理した。
あらかた終わった早朝、本堂では事切れたルーランと、その死体に腰を振り続ける僧兵がいた。僧兵達を始末し、最後の仕上げとして、山全体を火で浄化し、祓った。
ルーランの魂は今頃シンちゃんの所で捕らえられているはずだ。俺以上に怒っているであろうシンちゃんの魂の拷問に期待したい。
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