第17話 夜の帳は何時上がる?

同刻、源三の部屋


ふぅ、それにしても、このヒカルゲンジというヤツはケシカラン面白いな。幼女を自分好みの女子に何年も何年もかけて育成するなど、よほどの執着と癖の強い変態だな。


しかもこの物語が書かれたのは今から数百年前、この村﨑なんたらという作者、女子だという。どういう頭をしているんだ。よほどこじらせているに違いあるまい。まともな生活なぞできていないな。


あぁ、それにしても色恋の物語は時を忘れさせる。嫌な事やしんどい事があったとしても没入して世界を変えてくれる。


こんな事数年前では考えられなかった。読み書きを教えてくれた時はこんなもの一体なんの役に立つのやらと思っていたが。。。御屋形様には感謝してもしきれない。


あっ、そういえばこの前の諜報活動の報告書をまとめなければならないのだったな。。。まてよ、あの諜報は正吉と一緒だったな。。。あの時は5日間ずっと寝ず対象に張り付いていたから、全く本が読めずにいた。正吉にもきつく当たってしまい、申し訳なかった。


正吉の事だ、おそらく気を利かせて書類をまとめてくれているだろう。持つべきものは頼りになり、生真面目で、優しい仲間だな。


オッと、握り飯の飯粒が本に貼りついてしもうた。借り物だというのにイカンイカン。ホウ、フム、こう来たか。なるほど、コヤツ、性癖までこじらせとる。よほどよの、クククっ。。。



恋愛小説にハマったイケメン忍者の夜の帳は下りたまま、次なるページへと目が追い、手が進む。

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