第15話 はぁ?

合戦が始まった。というか、終わった。。。


今河家陣内では、情報が錯綜していた。


「殿、兵糧が燃えております。」

「殿、飼い葉に毒を盛られました。馬が痙攣して、使い物になりません。。」

「殿、備えていた弓矢が全て折られております。。。」

「殿、どう言う訳か、後陣と連絡が付かず、我ら孤立しております。。。。」


「どう言う訳とはどう言うことだーーーーー、貴様ら、ちゃんと警戒や準備をしていたのかーーーーーーーーーーー!!!!」

「はっ、我ら、しかと戦に備えて、警戒も怠らなかったはずですが。。。どう言う訳か。。。」


「ええぃい、「どう言う訳」はもういい!!!我ら3万、雄田4千の戦いで、何故こうなるのじゃ。瀬奈はどこじゃ、朝比名は、松多比良のガキはおらんのかーーーーーーーー!!!」


「はっ、皆目連絡がつきませぬ。法条や武多の同盟軍も、我が軍の偵察だけで、全く役に立ちませぬ。殿、ここは一旦退却を。」

「クッ、仕方ない。全軍、退きゃ・・・」



「義本の本体、見つけたぞー、全軍、突撃―。」



・・・義本の首を取った後、戦は雄田方の勝利へと加速度的に収束していった。仮面衆による攪乱、主要武将の暗殺、埋伏の毒による武将の寝返りなど、勝利は戦前から決まっていた。結果、1か月もしない間に今河領、降伏した家臣団は雄田家に取り込まれた。


こうして慶長としての初陣はあっさりと勝利し、前評判を覆したこの快挙は俺の名前を全国に轟かせた。


「次は三濃だ。齊藤道二とかいうオヤジが牛耳ってるんだっけか。サル、情報をよこせ。」


「はっ、殿、実は齊藤からは、既に和議の依頼が来ております。内容を要約すると、「娘を嫁として差し出すから、攻め込むのはちょっと待ってくれ、じきにこの国は婿殿に明け渡す」、です。」


「はぁっ?」

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