第10話 いつの間にか生え揃っていた件
獅子「この世の悪を狩り尽くす」
般若「破邪の炎が世を照らす」
童子「皆の笑顔を守る楯」
鬼「魔を切り裂く漆黒の太刀」
翁「我ら、闇夜の仮面衆」
「「「「「ここに推・参!!!・・・はぁ!!!」」」」」
5人が各々のセリフを言いながらポーズを決める。
正吉が顔を真っ赤にしてピクピク震えながら聞いてきた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・御屋形様、これはマジでこれから毎回やらなきゃダメなんですか?」
「・・・・・・・う~ん(笑)、ククク(笑)、んフフフフっ(笑)、イヤ、お前ら5人仮面で活動してたし、
プププっ(笑)、これ(戦隊モノの)がピ~んと頭に浮かんでさ(笑)、フヘヘヘヘ(笑)・・・。
赤(翁)、桃(般若)、黄(獅子)、青(童子)、緑(鬼)の5色の衣が映えてるな。ふふっふふふうふ。
まさか、本当にやるとはなぁ、ククク(笑)、ンフフフフフ。。。
あ~、もう我慢できね~、あ~はっはっはっ!!!、ゲラゲラゲラ!!!あ~―――、腹いて~、腹が捩れて痛て~、息ができね~、涙でる~~~(笑)。あ~苦しい~~~、アーハッハッハッハッハ(笑)、ゲラゲラゲラ(笑)・・・」
正吉から怒気が漏れ出す。ちよからは怒気どころか殺気を撒き散らしながら、棒手裏剣が必殺の間合いで投げ込まれる。
躱した棒手裏剣がガツガツと瓦に突き刺さる。
「あ~ハッハッハッ、怒んなよ~、桃色(笑)。ゲラゲラゲラ(笑)。」
「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す!!!!」
短刀の連続攻撃を続けてくるが、ヒラヒラとゲラゲラとかわし続ける俺。しかしながら途中で胸とか尻とか触るので怒気は膨れ上がるばかりだ。
「まぁ、待てよ、お前ら、ウフフフフ(笑)。これには色々と理由があるんだからさ、ククククク(笑)。」
「とりあえず、笑うのを止めてくれませんか?さすがの俺もイラッとします。。。」
「わかた、わかた、ちょっと待ってな。ククククク(笑)。。。
ごめん、最後にもう一回爆笑して良い?あーはっはっはっ、腹いて~、腹いて~・・・ゲラゲラゲラ。。。」
ひとしきり笑い終わった後、5人の冷たい突き刺すほどの視線を感じ、水を飲みながら俺は説明を続けた。
「フゥーーー、あーーー、いや、ごめんごめん。あのさ、ここ数年、世の中の混乱に乗じて賊が増えててさ。」
ニヤニヤ顔でサッと面子を眺めるが、皆下を向き、俺と目を合わせず、バツの悪そうな顔をしている。そりゃそうだろ、ちょっと前の自分達だもの。
「お前らは偶然あそこにいて、たまたま俺のメガネにかなって、運よく更生の道を辿ろうとしている。
でも俺は賊ども全員を同じように助けることはできないし、その多くは間違いなく助け出す価値の無いやつだ。そんな奴らが無辜の民を襲い、奪った金で安穏と暮らしていくのは許しておけん。この国の印象も治安も悪くなるしな。
よって、お前らに、仮面衆としてそれぞれ担当の村や町を警護してもらう。担当地区はひと月ごとに交代しろ。賊に認識されやすいけど、衣装を派手にしているのは暗闇でもお前らがそれぞれを認識しやすくするためだ(本当は面白いからだけど)。お互いの位置を確認して念話の鍛錬も欠かすなよ。これは修行も兼ねてるからな。では、行け。」
「承知しました!!!!!」
その日から、赤、ピンク、青、緑、黄色のキラキラの衣装を着た仮面が盗賊や山賊を狩りだし、民衆たちのヒーローとなっていった。雄張の犯罪率がどんどん低下し、戦乱の世にして日本一安全な地域として評価を上げていったたという。
現在のステータス
・ 名前:吉豊師(イオン)
・ 年齢:11歳
・ 神力:793,539,273
・ 能力:神気操作、精神操作、気配感知、気配隠蔽、活性化、治癒、念話
・ 備考:生え揃った。
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