第5話 クソ、このボケ鳥

吉豊師:7歳


最近は気の力を介して他の生き物の精神に干渉できるかの実験をしている。最初は籠の中の鳥に簡単な指示ができるかどうか試す。精神操作の一種で、生物を操ったり、考えていることが分かったりできる。


頭頂部から気を放出し、鳥へと繋げる。。。


「止まれ・・・・、良し。手に乗れ・・・・クソッ、このボケ鳥、焼き鳥にしてやろうか!!」


小鳥はカクカクとロボットのように米粒を食べていた。やはり動物の意思に介在するのは難しい。どうやって俺の意識を相手の意識に溶け合わせ、さも自分の意識の様に行動を促すかだ。


ここ1週間、籠の鳥を相手にやってみたが、まるでうまくいかない。上手くいかない事が続くと、無限転生地獄を思い出す。・・・クソ、オヤジの顔と高笑いが脳裏をよぎる。思わず天に唾してやった。


それにしても人間の身体で気を使うのは難しいな~。天界ではあんまり考えることもなく無意識でできるのにな、クソ。


「あー、できねーなー。面倒臭くなっちゃったな~、諦めちゃおっかな~。」


ボケっと池の周りで寝そべって目を閉じると、ウトウトしてきた。自分の気が薄く、広く、フワっと広がっていく。


50m向こうにウサギが跳ねている。右上の方には鳥が木にとまっているな。300m先、向こうから人がこっちに歩いてくる。


気の放出の訓練で、何処に何がいるのか、気配察知の様なものができるようになっていた。各種動物で気の周波数が異なり、それでその生き物の大きさや種類が察知できる。


周波数・・・パターン・・・ん?・・・・・・同期・・・同調・・・!? 不意に閃いた。


「意識を鳥に合わせる。。。周期、振幅、位相も。。。放出、同調。。。俺の意識が鳥に溶け込んでいく。


とまれ


食べろ


飛べ


俺の周りを三周周れ。。。


良し!!そりゃそーだよなー、簡単じゃん。」


意識を乗っ取る事ばかりに集中しすぎて方法を誤っていた。そいつがさも自分でそうしたいと誘導することがこの術の本質だったな。それから他の動物や、家臣などに試し、他生物の精神と体を操る術を訓練した。


好きな女になかなか告白できなくてモジモジしてる奴を乗っ取って、「好きだ」と言わせて強制告白させたり、いつもいじめられているいじめられっ子に乗っ取って、いじめっ子をボコボコにしたり。


こりゃ楽しいや。色々と使い勝手がありそうだ。


現在のステータス

・ 名前:吉豊師(イオン)

・ 年齢:7歳

・ 神力:792,823,882

・ 能力:神気操作、精神操作、気配感知、活性化

・ 備考:娯楽が無いから他人を弄るしかない。

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