第4話 夢をみていた。
夢を見てた。
あたしは人間で、本城茉莉花って名前の高校生で。
バイトで貯めたお金でかわいい宝石のようなゲーム機を買った。
『Sowing Magia 』って名前のゲーム機。
そこで始めた『マリアクエスト』っていうゲームを起動するんだけど、オープニングが終わったところで何故かそれ以上進まないの。
ああ。
もう、これって不良品?
このゲーム壊れてるのかな……?
そう思ったあたし、とりあえずゲームのカードを取り出して、ふうふう息を吹きかけてみる。
ホコリとかついてないかな、とか、見てみて。
で、もう一回さしてみた。でも。
やっぱり一緒。
あーん。せっかく買ったのに。
明日お店で交換してもらおう。
そんな風に考えてゲームカードをパッケージに戻す。
レシートもちゃんとあるよね。うん。大丈夫。
財布の中を確認してそのままベッドにダイブしたあたし。タオルケットをかぶってそのまま不貞寝してしまったのだった。
夢の中で寝る?
って、どういう状況かな。
そんな風に考えた所で場面が変わる。
あたしはどこか駅のホームみたいなところにいるらしい。
でも。
電車が4台、別方向にいくらしいのが止まってるその真ん中にあたし立ってて。
どれに乗ればいいんだっけ? とか考えてるんだけど。
行き先とかよく分からなくて。
発車のベルが鳴った。
慌てて乗り込むあたし。
その時。
バッグの中でスマホが鳴った。
ごそごそっと取り出して画面を見ると、「もう帰るよ」ってメッセージ。
ああ、どうしよう。
あたしはここで待ち合わせして、誰かとどこかに一緒に行く筈だったのだ、と。
ああ。どこに行っちゃうんだろうこの電車。あたし、なんだか迷子になっちゃった……。
そんな風に思った所で目が覚めた。
目が覚めたあたしは、猫、だった。
もふもふの白い腕。
ピンクのにくきゅう。
ぺろっと舐めてみる、よく伸びる舌。
指を広げてにゅーっと伸びをして。
ああ、あたしはやっぱり猫、だった。
なんだか人間だったって記憶が夢だったような気がしてきちゃった。
ふにゃぁだよ。
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